2017年03月17日

日本のエンターテインメントを学ぶ 宝塚歌劇に誘う7つの扉(入門編)

2017年3月15日(水) by フリージャーナリスト 中本千晶

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2014年に100周年を迎えた宝塚歌劇団。
十代の頃から周りにヅカファンがおり、これまでに何度か観劇したことがありますが、まだまだ敷居が高く、知らないこともたくさんあります。

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今回は入門編として、基本のきの時から教えてもらうことに。
タカラヅカを知る7つのキーワードについて、解説してもらいました。

1.「男役と娘役」
どちらになるかは本人が決めますが、やはり身長がめやすになるそうです。
165cm以下だと娘役、167cm以上だと男役。
スターといったら男役ですし、男役はとっても人気ですが、「男役十年」と言われるように、無意識でも常に男性っぽい仕草ができるようにならないといけないのだそう。

しかも、ただ普通の男性のような振る舞いが身についてもダメなんですね。
理想のカッコイイ男性の仕草ができるようにならないといけないそうです。
これは難しいですね!だからこそ、憧れる女性が後を絶たないのでしょう。

娘役は、華麗なドレスさばきができるようにならなくてはなりません。
また、衣裳に合わせるアクセサリーや髪飾りは、なんと自前なんだそう。
衣裳は直前に決まるため、アクセサリー選びは時間との闘いになってしまうそうです。

タカラジェンヌには定年はないのだそう。
「白薔薇のプリンス」といわれた春日野八千代という男役スターがいたことを知りました。やっぱりプリンスなんですね〜。

退団して芸能界に入る人も多い中、この人は96歳で亡くなるまで、宝塚歌劇団の現役団員だったそうです。

2.「ベルサイユのばら」
一番の人気舞台は、「ベルばら」と「羽根」。
ベルばらを見られるのは、もちろん公演がある時だけですが、ビギナーの方はいつでもやっていると思いがちだそう。残念ながら違うんですねー。
オスカル版だけしか見ていない私は、アントワネット版も見たいと思っていますが、なかなかチャンスをつかめずにいます。

宝塚の公演は3時間で、基本は演目2本立てにショー、レビューがあるもの。
でもベルばらは長い舞台なので、1本のみです。

3.「組」
この日の参加者は、思ったよりも男性の姿が多く見られました。
宝塚の組について尋ねられた前席の男性は、考えながらも全部答えていました。
一組に80人が所属しているそうです。
また、花月雪星宙の5組のほかに、特定の組に所属しない専科があり、各組の公演に出演しているそうです。

4.「羽根」
トップスターが羽根をしょって大階段を下りてくる様子は、とても華がありますね。
まさに花をしょって登場する少女マンガのヒーローのよう。
あの羽根はオーストリッチ(ダチョウの羽)やキンケイのものだそうです。
以前に比べて、どんどん巨大化してきており、20キロ以上の重さがあるそうです。

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5.「宝塚音楽学校」
とても人気があるため、倍率20倍も高く「東の東大、西の宝塚」とも称される宝塚音楽学校。2016年は27倍の倍率だったそうです。
周りにもチャレンジした子が数名いますが、やっぱり狭き門でした。。。

6.「ヅカファン」
周りを見てもコアなヅカファン。
会場前で、ヅカファンの友人のお目当てスターの入り待ち、出待ちをしたこともあります。
男役は娘役の10倍のファンが待っているそうです。

タカラジェンヌのプロフィールが掲載された『宝塚おとめ』という年1回の発行の雑誌があるのだそう。
宝塚の雑誌が何冊も出ているのは知っていますが、これは団員年鑑としてチェックしてみたいものです。

7.「小林一三」
阪急電鉄だけでなく、温泉やプール、宝塚を作った人。今でいうベンチャーですが、のちに東宝(映画)も立ち上げたビッグなビジネスマン。
宝塚歌劇団の父として、今でもタカラジェンヌたちに慕われているそうです。

宝塚歌劇団は、100年前の1914年の第一回公演の時から、明治時代に海外から入ってきた洋楽やオペラを取り入れていました。
毎回オーケストラによる生演奏が行われるのも、宝塚の魅力の一つで、前身から数えると日本最古のオーケストラとも言われるそうです。

宝塚歌劇についての非売品の限定パンフレット『TAKARAZUKA REVUE FIRST STEP』をいただきました。
オールカラーでとてもわかりやすい内容です。
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帰りがけに、後ろの席の女性たちが、ネットでさっそく次の東京公演のチケット申し込みをしていました。
最近とんとご無沙汰でしたが、いろいろと話をきいて、久しぶりに華やかな舞台を観にいきたくなりました。
いつかぜひ、本場の宝塚での公演を観劇したいなあと思います。

2017年03月16日

横浜北線トンネルウォーク-2

その1からの続きです。

折り返し地点まできてUターンし、非常口を通って反対車線へ移動しました。

● すべり台式非常口

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非常口の下に「ここから地上に出られます」と書いてあります。
ん?でもすべり台式って書いてある。ん?

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別のサインが。矢印が下向きなんて、初めて見ます。
この下に何があるかというと…。

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なんと金属製のすべり台!ボタンを押すと、銀の覆いが外れて現れます。
この「すべり台式非常口」は、首都高初の導入だそう。
これは、すべってみるしかないでしょう!

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こんな感じ。普通の滑り台サイズの幅なので、力士のように大きな人は大丈夫かな?と思いますが、あまり幅を広げると、バランスを崩して子供や老人がケガをしてしまうかもしれませんからね。
少しカーブしており、上からだと降りる先が見えないので、どこに行くのかちょっと不安ですが、危険が迫っていたら、ここでためらっていてはいけません。
(それに今回は、長蛇の列で後ろに人がつかえているし)

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係員のガイドに従ってシュッとすべると、恐怖を感じないくらいのゆるめのスピードで地下に着きました。

● 地下トンネルの下

そこは広々とした安全空間でした。こんな場所が道路の下にあったなんて。
電源が確保されており、辺りが停電していても、ここは明かりがつくそうです。

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矢印に従って歩いて行くと、地上に通じる階段がありました。
今は地下7階にいます。地下7階!?
いつの間にか、すっごく下に来ていたんですね!
それでさっき「ここから地上に出られます」と下を向いた矢印サインがあったわけですね。

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山手トンネルウォークを歩いた時には、出口に出るために地下4階から地上までの175mを登らなくてはならず、みんなでヒーコラいいながら非常階段を上ったことを思い出します。
(今回は、地下7階?)と膝から崩れ落ちそうになりましたが、1階分上がっただけで、もとのトンネル内に戻り、先に進むことができました。

● 関連ブースの展示コーナー

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関連ブースの展示コーナーでは、ETC2.0のゆるキャラがいました。
顔がETC2.0!ムダなものがなにもない!(笑)
新しいETCは、渋滞回避などの経路情報を教えてくれるそうですね。ハイテク〜!

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アンケートに答えたら、ミニクッションが当たりました!
ほかにタカラトミーがトミカやプラレールを展示していました。
カッコイイリアルな車体を目の当たりにして、ミニカーを欲しがる子供続出!

● トンネル点検車の体験コーナー

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次に注目したのは、こちらのトラック。
足元を見て驚きました。
ち、宙に浮いてる〜!
トラックは、ジャッキで支えられていました。

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次第に人を乗せたトラックの荷台が上へと上がっていきます。
トンネル点検車の体験コーナーでした。

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あれよあれよといううちに、荷台は天井ギリギリまで到達しました。
ワー、つぶされるー!

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そんなことはありません。上の人たちはなにやら説明を聞いています。
これは、乗ってみるしかないでしょう!

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ということで、ヘルメットをかぶり、命綱をつけて、高所作業車に乗ってみました。
天井はもう目と鼻の先です。

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トンネルの天井に初めてタッチしました!
天井にはなにか記号が浮き出ていました。

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つるりと見えるドーム型天上でも、よく見るとあれやこれやと配管があるものですね。
この車で上に上がり、これらの点検や交換などを行います。

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トンネルには天井板がありません。
2012年に起きた中央自動車道・笹子トンネル天井板落下事故の教訓を踏まえてでしょうか。
高い場所から眺めるトンネル。遠くまで見渡せます。

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こちらは前方の光景。

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こちらは後方の光景。下には順番を待つ人の長い列ができています。
行列に並んで、乗ってみた価値がありました。

● プロジェクションマッピングその2

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再びプロジェクションマッピング。今度はモノクロ調でシック。

● 標識のリアルサイズ

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「急カーブ注意」の標識を下におろすと、こんなに大きいことを知ります。
トラックで運ぶのも大変なほどのサイズ。

● 新横浜出口へ

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新横浜の出口が近づいてきました。あと400mです。

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トンネルを抜けて、出口まであと少し。

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わあ、外がまぶしい。
両側の壁が高くて真っ白なので、立山黒部アルペンルートの雪の大谷を連想しました。

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外に出ると、青空が広がっています。
大熊川トラス橋へと続く道。

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出口に着きました。4キロちょっとの行程でした。

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川の上から臨む、大熊川トラス橋。
トンネル内の防災体験を行った後、新横浜駅前でランチをしながら、大震災の黙とうを行いました。

● トンネルウォークに参加して

1年前の山手トンネルイベントに引き続き、今回も楽しく参加できたこのトンネルウォーキング。
防犯設備が整い、最新設計の備わった高速道路を実際に歩いて見学できた、貴重な経験となりました。
今後使うことが多くなるだろうこの道路。一週間後の開通が楽しみです。
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2017年03月15日

横浜北線トンネルウォーク-1

来たる3月18日の16時から、首都高速神奈川7号、横浜北線(K7)が開通します。
それに先駆けて、11日に「岸谷生麦会場」「新横浜会場」の2箇所で、イベント「トンネルウォーク&ラン」が行われました。

● 新横浜駅のマリノス神社

新横浜会場に行こうと、友人と駅の壁に設けられたマリノス神社前で落ち合います。
うーん、目立つ〜。トリコロールの鳥居なんてほかにありませんよね。
バーバーのサインポールのよう...いえ、なんでもありません。
横浜市民として、マリノスの戦勝をお参りしてから出発します。

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いい天気の日。日産スタジアムを越えて、鶴見川にかかる長い橋を渡った先に、入り口がありました。

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● 大熊川トラス橋

遠くに、建設途中の高架道路、大熊川トラス橋が見えます。
全長158m、ダブルデッキの単径間トラス橋。
今回は、橋とトンネル好きの私にとってかなりウキウキのイベントです!

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● 横浜北線について

横浜北線は、横浜環状道路の第三京浜道路「港北インターチェンジ(IC)」から首都高 神奈川1号横羽線「生麦ジャンクション」をつなぐ約8.2kmの路線。
この横浜北線の開通で、新横浜→横浜港間が25分→15分に、
新横浜→羽田空港間が40分→30分に、どちらも10分間短縮されます。

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今回繋がるのは、画像の赤いライン。
将来的に、東名高速 横浜青葉ICと結ぶ横浜北西線と接続するそうです。
そうなると、東名高速〜第三京浜〜首都高速が結ばれて、横浜の幹線になるんだそう。
北西線の開通により、交通量日本一(そうなの!?)の保土ヶ谷バイパスを通らずに、長距離輸送ができるようになるそうです。

● 新横浜料金所

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新横浜出入口の料金所には、電光表示板に「横浜北線がキタ! 横浜北線が歩けるのは今日だけ!」と表示されていました。 
たしかに、開通したらもう歩くことはできない場所。今日が最初で最後のチャンスです。

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入り口の看板。料金所から入っていきます。

● 東関東大震災の日

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そう、この日は東関東大震災から6年目の日。
だからこそ、今回はトンネル防災に力を入れたデモが行われるそうです。

● 湾岸線と第三京浜へ

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湾岸線と第三京浜に向かう標識。
湾岸線は「ベイショア・ルート」と英語になっているけれど、第三京浜は「ダイサン・ケイヒン」のままー。

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地上の料金所を見ながら、地下に続く道を歩いていきます。

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新横浜トンネルをくぐります。

● 料金所

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料金所は大人気。大勢の人が群がっています。
いつも通り過ぎる一瞬に、いろいろなメカが装備されているのが見えますが、実際にはなかなかじっくり観察できない場所ですからね。

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カメラはあちこちに設置されており、通る車を見張、いえ見守っています。

● 新しい道路

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きれいな高速道路。映画の中にいるみたい。
道路になんて書いてあるのか、すぐには読めませんでしたが、長〜く延びた「合流注意」の文字でした。
高速で走っていると、このくらい長細い形にしないと、読めないんですね。

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美しく新しい道路に目が行きますが、この等間隔に置かれた三角ポールは、きっと人の手で置かれたんですよね。
その正確さにびっくり。さすが日本人。

● 横浜北トンネル

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高速にも信号があるんだ〜!防災用だそう。
下から見上げるとかなり巨大でした。

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今度は横浜北トンネルに入ります。
全路線(8.2km)の7割を占める、5.9km。長いですね!
市内最長の道路トンネルになるそうです。
建造物の移転を最低限に抑え、周辺環境の保全のために、長いトンネルになったそうです。

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トンネル照明はLEDです。トンネルの中をテクテク。

● プロジェクションマッピング

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開通まで、あと7日!カウントダウンが始まっています。

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トンネル内でのプロジェクションマッピング。

● 避難通路

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スライド式の非常口を開けると、細い避難通路がありました。

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見える限り、ずっと先まで続いています。まだトンネルに入ったところなので、道路に合わせてどんどん下に降りていく道です。

●「はたらくクルマ展示」

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「はたらくクルマ展示」には、画像の首都高パトロールカーのほか、いろいろながっしりした車が並んでいて、子供も大人も群がっていました。

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モフモフ!これでトンネル内の掃除をするそうです。
奥のものと2本がかりで作業を行い、180度上もむくんだそう。
ほんとにモフモフ!でも触ったら、意外にゴワゴワしていました。(ですよね〜)

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なんだか大迫力の黄色い車。メルセデス・ベンツですよ!
首都高ウニモグという作業用自動車だそうです。
ウニモグってなんかかわいい響きですね。ウニがモグモグ...。

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特殊消防車両。スーパーレンジャーと書かれていました。
レンジャーが乗り込んでいました。

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ピンクに白の、かわいい色合い。
(これなんだろう?)と名前を見ると「ホメパト(TOYOTA86)」と書いてありました。
ホメパト?褒めるの?まさかね〜(笑)
と思ったら、本当に「褒めるパトカー」なんだそうです。
ホントにホント?
冗談のようですが、優れた運転やマナーを褒めて、交通事故を減らすのが目的なんだそう。
「褒めて伸ばす」作戦!いいですね〜。
誰だって褒められればうれしいですしね。私もこの車に褒め殺しされたいなあ。

● さまざまな防災設備

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防災設備は、最高基準のAA基準をさらに上回っているとのこと。
非常口は250m以内に設置されており、誘導標識はどこかしらにあります。
さて、どっちに逃げようかな。

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非常電話のカバーを開いたところも見られました。
「故障車(故障)」「パトカー(事故)」「救急車(救急)」「消防車(火災)」の4種の車の絵の横にボタンがあり、緊急連絡の内容でどれか1つを選びます。
案件の多さ順に並んでいるのでしょう。
非常電話は100mおきに設置されており、受話器を取るとすぐに管制室につながるようになっています。

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泡消火栓は、50mの範囲で設置されています。
(これは触っちゃいけないんじゃない?)と思いがちですが、トンネル火事に遭った場合には、消防車が駆けつけるまで初期消火をしてほしいとのこと。
わー、あらかじめわかっていないと、土壇場でオロオロしてしまいそう。
ホースのグリップを押せば、簡単に泡が出てきます。
その横のコーナーに、プロの消防隊が使うホース口がありました。触っちゃダメなのはこっちですね。

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「ジェットファンが少ない」との友人のつぶやきを聞いて、ハッとしました。
たしかに、ほとんど見かけません。
海ほたるに向かう東京湾アクアラインには、ジェットファンが等間隔にずっと続いているのに。
でもまったく息苦しくないので(当たり前か)、換気は問題ないのでしょう。

● 水噴霧デモンストレーション

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折り返し地点のところで、水噴霧デモンストレーションを見ました。
放水は大迫力!激しい水量に、道路の先が見えなくなり、大きなトンネルが、あっという間に水だらけになります。
管制室からの遠隔操作で、50m範囲に水を散布するそうです。

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これは、ずぶぬれ!集中砲火、いえ集中放水で、ちょっとしたボヤなら消し止められそう。
できたての高速トンネルと最新設備に興奮冷めやらぬまま、その2に続きます。
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2017年02月27日

大倉山記念館 屋上回廊特別公開

2/12に、大倉山記念館に向かいました。
実業家で東洋大学学長を務めた大倉邦彦氏(1882-1971)が「大倉精神文化研究所」として1932(昭和7)年に建てた大倉山記念館。
大倉山駅の名前の由来になっている場所です。

建物を設計したのは、辰野金吾氏の弟子、長野宇平治氏(1867-1937)。
古代ギリシャ以前の「プレヘレニック様式」という建築様式を用いて設計し、大倉氏の理想とした「東西文化の融合」を形にしたものとなっています。
その歴史的価値が評価されて、市の有形文化財に指定されています。

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この建物を、私はこよなく愛しています。
この日は、ギリシア神殿風の白い建物が、雲一つない空にりりしく映えていました。
いつ見ても、変わらず美しい、絵になる建物だわ〜。
今回は、屋上回廊の特別公開で、この塔の上に登らせてもらえるのです。

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建物内部から見上げると、塔はこんな感じ。
アトリウムになっていて、日光を浴びた金色の獅子と鷲が、こちらを見下ろしています。
2階に上がると、彼らとカッチリ目が合います。
「力が欲しいか...?」って言われているみたい(笑)。

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普段は非公開の細い階段を上っていくと、屋上に出ました。
建物の上の部分です。すでにほかの見学者がいるのが見えますね。

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下からいつも見上げている円柱が並んでいます。
う〜ん、クレタ島のクノッソス宮殿のような建築物を、横浜で見られるなんて。
気分はエーゲ海。山の上にいるのに、大海原に向かって舟をこぎ出したくなるような気持ちになります。

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塔は、「屋上回廊(塔屋)」と呼ばれているように、四方をぐるりと回ることができます。
壁に丸い穴が開いており、中の獅子と鷲が見えました。

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わあ、近い。普段と違って、目線が一緒。
いつも見上げるばかりだったので、感激ー。私、こんな高いところに上ってきたのね。

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小高い丘の上にあるので見晴らしがよく、新横浜や菊名、武蔵小杉のビル群が見えます。
画像は新横浜方面。
この日は富士山もまっすぐ見えました。
敷地内の木が育ちすぎており、ちょっと見えづらかったのですが。

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記念館の窓は、四角だけではなく、三角、丸など、いろいろな形があります。
かわいいなと思いますが、これらすべてがプレヘレニック様式のデザインなんだとか。

階段などに使われているのは大谷石だそう。おお、前に宇都宮の大谷を訪れたことがあります。
あそこから良質の石を運んできたんですね。

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建物のあちこちにも、まる・さんかく・しかくのモチーフがあり、探すと見飽きません。
うーん、見れば見るほど素晴らしい建物。
さらにファンになりました。

普段は塔の上に上がることはできませんが、常時、建物内部の見学は可能。
いろいろな映画やドラマのロケにも使用されている建物です。
最近ではドラマ『東京タラレバ娘』にも登場したそうな。
ご興味がありましたら、ぜひ一度お越しになることをお勧めします。
記念館までの坂はかなりの急勾配で、キツイですけれどね。

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今の時期は、隣の敷地にある大倉山梅林の梅も楽しめますよ。

◆ 横浜市大倉山記念館
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2017年01月24日

『「超・日本刀入門」〜名刀でわかる・名刀で知る〜』 静嘉堂文庫美術館

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静嘉堂文庫美術館で開催中の『「超・日本刀入門」〜名刀でわかる・名刀で知る〜』の内覧会に参加しました。
昨今、オンラインゲームがきっかけで刀剣のファンになった女性が増え、「刀剣女子」と言う言葉も生まれています。
私はその波に乗れていませんが、以前五島美術館で日本刀コレクションの展示を見た時に、照明を受けて輝く鋭い刃の切っ先に魅せられて、あやしく心臓が高鳴ったことが忘れらません。
そんなわけで、知識はほとんどないビギナーながら、またあの冷たい美しさを味わいたいと、足を運びました。

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旧三菱財閥二代目社長・岩崎弥之助と四代目社長・小弥太氏の親子が収集したコレクションを所蔵・展示する「静嘉堂文庫美術館」が会場。
国分寺崖線に立つ緑豊かな広い緑地内には、和漢古典籍を所蔵する図書館「静嘉堂文庫」もあります。

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突然のブームで一気に脚光を浴びている刀剣。美術雑誌でもこぞって特集が組まれ、興味を持つ人も増えているところですが、専門用語が多く難解だと、なかなかとっかかりがつかみにくいジャンルでもあります。

今回の展覧会は、初心者向けに詳しい解説をちりばめながら、館所蔵の立派な名刀を展示しているのが特徴。学びながら同時に鑑賞ができるようになっています。

はじめに河野館長・担当の山田学芸員・美術ブログ「青い日記帳」主宰のTak氏のアートトークが行われ、その後、山田学芸員のギャラリートークを受けながらの作品鑑賞となりました。
館内には刀剣の見方のポイントや、その歴史や産地、刀剣の各パーツの名称などのパネルが展示されており、初心者が日本刀を前に、どう見たらよいのかと途方にくれずに済む配慮がされています。

まず、刀と太刀の違いについてのレクチャー。
(大きさや長さの違いかな)と思っていましたが、それだけではありません。
展示の向きが違います。
太刀は、刃を下向きにし、刀は、上向きにします。刀工の銘の場所も逆になっています。
この違いが分かると、気分的にずいぶん楽になるもの。
肩の力が抜けたところで、いよいよ実物鑑賞となります。

今回の展示品すべてに説明文がついており、時代背景の解説も加えられています。
刃先に見える刀文を写し取って、特徴を記した押型も、作品の下に一緒に展示されているのが、とても分かりやすく参考になっています。
押型はすべて、日本刀剣保存回幹事の吉永永一氏が手がけられたとのこと。

刀剣は、単に前に立って覗き込むだけではなく、上・下・横と角度を変えて覗き込むと、光の当たり具合によってまた異なる印象を受けるもの。
「ぜひ、作品の前でスクワッドしながら鑑賞して下さい」と勧められました。
下部にある押型の文様も眺めると、さらに大きな動きとなって、ゆっくりと一人エグザイルしているような動作になりました。
でも今回は、あやしまれないはず。夢中で鑑賞していたら、おそらくみんなそうなることでしょう。

* 美術館より特別に撮影の許可をいただいています

『国宝・重文の刀剣』コーナー
まずは国宝の「手掻包永太刀(てがいかねながたち)」。どう読んだらいいのか、読みをどこで切ったらいいのかと弱気になりますが、それを助けてくれるのが説明文。

作者は刀工の一派、手掻(てがい)派の祖である初代包永。つまりは「手掻(派の)包永(の作った)太刀」ということですね。
手掻派は、大和国(奈良)を代表する5つの刀工集団のうちでも特に勢力があったそうです。

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国宝「手掻包永太刀(てがいかねながたち)」 鎌倉時代(13世紀)
「附 菊桐紋糸巻太刀拵(きくきりもんいとまきだちごしらえ)」 江戸時代(18〜19世紀)


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たしかにどこから眺めても完璧な美しさ。
そしてやはり、角度によって印象は変わります。
刀や太刀とは、じっくり時間をかけて向き合うのがよいのでしょう。

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館所蔵の120振りの刀剣のうち、国宝1点に重文が8点を加えた30振りが展示されています。
「無銘のものでも名刀が多いので、そういった指定にこだわらず観て下さい。"無冠の大夫"と呼ぶにふさわしい立派な刀が数多く並んでいます。」と、アートトークで言われていました。

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重文「名物 日置安吉短刀 安吉 南北朝時代(14世紀)」


長刀だけではなく、短刀もあります。
堀川国広による、龍が刃に彫り込まれたものも。光の加減によって、龍が揺らめいて、生きているようにも見えます。

『武士と名刀』コーナー

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こちらでは、戦国武将たちの名刀が見られます。

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重文「古備前高綱太刀(こびぜんたかつなたち)(号「滝川高綱」) 」鎌倉時代(12〜13世紀)
「附 朱塗鞘打刀拵(しゅぬりざやうちがたなごしらえ)」 桃山時代(16世紀)


こちらの作者は古備前派の刀工、高綱。
織田家重臣で織田四天王のひとり、滝川一益(かずます)(1525〜1586)が、武田家追討の際に、主君の織田信長より拝領したと伝えられる刀です。

朱塗の拵が美しく、信長らしさを感じます。鮫の皮(といってもエイ)も使われているそう。
頭金具には、織田家の木瓜家紋と信長が足利将軍家より賜った桐紋が配されています。

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「伝 長船兼光刀(でん おさふねかねみつかたな)(大磨上げ無銘、号「後家兼光」) 」南北朝時代(14世紀)
「附 芦雁蒔絵鞘打刀拵(あしかりまきえざやうちがたなごしらえ)」 明治時代(19世紀)


直江兼続(1560〜1619)が秀吉から気に入られていたというエピソードは大河ドラマ『天地人』に出てきましたが、彼は秀吉の遺品であるこの刀を賜ったとのこと。
兼続の没後、未亡人のお船の方から主家の米沢藩主上杉家へと献上されました。

逸話とともに武将の愛刀が展示されていることで、所持した武将と武士の魂としての刀、どちらにも親しみを感じます。

鍔(つば)を初めて見た時には、芸術性の高さに驚きました。
精緻な細工が施してあり、美意識の高さを感じます。

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上はシンプルな鉄製の京透し鍔。
真ん中は陰陽剣形、右は十二支文字のデザインです。

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こちらは金が施された絢爛豪華な江戸の鍔。
江戸時代に中国から輸入された珍鳥、キンケイが彫り込まれています。

右側にあるのは三所物(みところもの)。目貫 (めぬき) ・笄 (こうがい) ・小柄 (こづか) のことです。
初めて見た時には、女性の簪(かんざし)かと思ったほどに、細かく装飾性に富んでいるものです。
こうした細かな装具を見ると、刀剣は、武器としてだけではなく、美術品としても本当に価値の高い貴重なものなんだなあと、あらためて感じます。

最後のコーナーでは、弥之助の愛刀が展示されています。
漢学生だった32歳の時、彼は塾生との口論から刀で斬りかかられますが、手元の刀でその刃を防ぎ、事なきを得ます。
刀には、その時に受けた刃の痕がくっきりと残っており、彼は、自分の命を救った刀だとして、大切に扱ったそうです。

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平安時代から作られた名刀が、戦国時代の武将や明治の改革期の人々の手を経て、時代を超えて今もなお人の心をとらえつづけています。
刀剣という側面から、日本の歴史を知るのもまた楽しいもの。

あまり難しいことは頭に入れなくても、無駄をとことんそぎ落とした日本美の極致のような刀剣を前にすると、静かな迫力と不思議な感動を覚えるものです。

これまでは限られた専門愛好家の領域だったものが、ビギナーにも門戸を開いている今、やさしく日本刀について教えてもらえるいい機会となりました。

この展覧会『「超・日本刀入門」〜名刀でわかる・名刀で知る〜』は、2017年3月20日(月・祝)まで静嘉堂文庫美術館で開催中です。
◆ 公式サイト

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美術館から臨む富士山の夕景