2019年07月18日

ヨシダナギ写真展「HEROES 2019」

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少数民族を撮影する女性フォトグラファー、ヨシダナギ。
TVの特集番組で彼女のことを知りましたが、写真展は初めて。

約15部族の写真が紹介されています。
本人の意向により、作品は撮影可となっていました。
3連休だったこともあり、会場内は押すな押すなの大盛況。
人々の間を縫うようにして鑑賞します。

さまざまな部族の民族衣装に圧倒されます。
また、盛装した部族民たちを効果的にアピールする構図や場面設定のすばらしさ。
芸術的です。

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カラム族(パプアニューギニア山岳部)

秘境であるパプアニューギニアには、数千もの独立した部族があるそうです。
絵本から抜け出てきたような人々。大地を踏みしめる雄々しさ。

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オモマサライ族(パプアニューギニア山岳部)

同じニューギニアでも、こんな部族もいるんですね。
ガイコツのようなペインティングをする彼らは「スケルトンマン」と呼ばれます。

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エナウェネ・ナウェ族(アマゾンの一画)

背景と相まって、力強さ、神々しさを感じます。
モデルの表情も、どれもすばらしい。みんな自信に満ちた、堂々とした顔つきとポージングをしています。

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アイヌ(阿寒)

日本も負けてはいません。アイヌ部族の写真は、どれも迫力満点。
写真を通して、彼らの誇りが感じられます。

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スリ族

これは、スリ族(エチオピア)の少女たちが日本の雑誌「Egg」を見ているところ。
「Egg」といえば、黒ギャルのファッション誌。
同年代の、肌色の近い女の子として、気になるのでしょうか。

ほかにも、タヒチ人、ベルベル人(北アフリカ)、トゥアレグ族(北、西アフリカ)など、多数。
ヨシダ氏は、少数部族たちに溶け込むために、自分も裸になって距離を縮めていったそうです。
被写体の呼吸が感じられるかのような近い写真が撮れるのは、そうやって彼らの警戒心を取っていったからでしょう。

どの写真も美しく、日光と部族民たちの発する生命のパワーに満ちあふれていました。
世界は広く、知らない少数民族はまだまだごまんといるものだなあと実感。
彼女本人による解説文は、ゆるくてユニークでした。
今後も追っていきたい写真家です。

ヨシダナギ写真展 HEROES 2019
2019年7月2~15日、
そごう横浜店8階催事場
posted by リカ at 19:41| Comment(0) | 【finearts】写真 | 更新情報をチェックする

2019年07月16日

第74回 春の院展

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日本美術院による国内の代表的日本画の公募展、院展。
毎年開催され、日本各地を巡回中です。
日本美術院の同人作品37点をはじめ、受賞作品など191点が展示されています。

日本画の特徴は、主に和紙や絹に天然の鉱石などを砕いて作った「岩絵具」に、牛や鹿などの動物の骨や川を煮て作った「膠(にかわ)」を接着剤にして、水で溶いて刷毛や筆を使って描く点です。
自分がよくわかっていなかったので、ここにメモしておきます。

ちらし掲載の作品は、宮北千織『姉、妹』。
おしゃれをして華やかな場に立つ姉妹は、お祝いの歌を歌っているそうです。(作家談)

今回印象に残った作品を何点か。

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那波多目功一「そよ風の中に」

好きな作家。4年前に開催された「那波多目功一展 清雅なる画境」も、すばらしい展覧会でした。
初夏の若葉の中でさえずる小鳥が描かれています。

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倉島重友「山茶花の小径」

今回の展覧会の中で、一番気に入った作品。
紅白の山茶花に囲まれて、しゃがんで花びらを拾う少女と小犬。
奥行きのある、美しく、幻想的な世界でした。

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手塚雄二「兆」

日本美術院の同人で、東京芸術大学の日本画科教授である手塚氏(師系:平山郁夫)。
野の蝶かと思いましたが、茂みから鳥たちが飛び立つ瞬間をとらえた一枚です。

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永井健志「白香」

上の手塚雄二を師とする若手の作家。
闇に浮かぶ白百合を、美しい筆致で描いています。
  今回は、この作品のような人の背丈くらいの細長いサイズが多いと感じました。

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田島亨「Overture」

舞台はどこかヨーロッパの街角、季節は秋。
雨上がりの石畳と水たまりに映る光景を、効果的に描いています。


巨匠から新人作家まで、191人の作家による絵画は、表現もさまざま。
風景の一瞬を切り取ったもの、幻想的なもの、写真のように写実的なもの、平面的なもの、立体的なもの、静的なもの、動的なもの。
様々な構図、題材、表現がなされて多岐に富んでおり、飽きません。
全てが自分とは異なる目線で描かれており、どの作品も新鮮でした。

そごう美術館
2019年7月12日(金)〜21日(日
posted by リカ at 10:32| Comment(0) | 【finearts】日本画 | 更新情報をチェックする