2018年09月18日

NTT DATA CONCERT OF CONCERTS Opus 23

サントリーホール 大ホール
指揮:ベアトリーチェ・ヴェネツィ
ソプラノ:小林沙羅
テノール:ジョン・健・ヌッツォ
ジャパン・ヴィルトゥオーゾ・シンフォニー・オーケストラ
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曲目
プッチーニ:
  『交響的奇想曲』
  オペラ『ラ・ボエーム』より「私が街を歩くと」
  オペラ『マノン・レスコー』より「このような美しい女性を見たことがない」
  オペラ『トゥーランドット』より「お聞き下さい王子様」
  『交響的前奏曲』
  オペラ『トスカ』より「妙なる調和」
  オペラ『蝶々夫人』より「ある晴れた日に」
  オペラ『マノン・レスコー』間奏曲
  オペラ『トゥーランドット』より「誰も寝てはならぬ」
三枝成彰:
  オペラブッファ『狂おしき真夏の一日』より
            エミコと太郎の二重唱「愛の思い出」
レスピーギ:
  交響詩『ローマの松』
  交響詩『ローマの祭り』
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今回で23回目になるNTT DATAプリゼンツのコンサート。
日本のオーケストラの首席演奏者たちを中心に構成されたジャパン・ヴィルトゥオーゾ・シンフォニー・オーケストラの演奏なので、楽しみです。
豪華な面々の中、コンサートマスターの席にはN響コンマスの伊東亮太郎氏が座っていました。

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日本での指揮は初めてという新鋭指揮者のヴェネツィ氏はすらりとした女性で、10センチ以上あるヒールで指揮台に上がったので、(あのピンヒールで大丈夫かしら!?)と、ハラハラしながら見守りました。
さすがはプロ、激しく指揮棒を振りながらも、バランスが崩れることはありませんでした。

プログラムは有名なオペラ曲が中心となっています。ソプラノとテノールの歌がかわるがわる演奏されました。

個人的には、『交響的前奏曲』の管楽器(特にトランペット)や『マノン・レスコー』の間奏曲での2ndヴァイオリンのソロが印象に残りました。
『トゥーランドット』の「誰も寝てはならぬ」では、朗々と響き渡るテノールの歌声に耳が集中しますが、実際に演奏を目の当たりにすると、歌手の背後で弦楽器が高速ボーイングをしている様子がわかりました。

プッチーニのオペラ曲集のあとは、大友直人氏とともにこのコンサートの企画構成を担当している三枝成彰氏作曲のオペラブッファ。

オペラブッファとは聴き慣れない言葉ですが、日常生活をテーマにした喜歌劇のことを言うんだそう。
「フィガロの結婚」「ドン=ジョバンニ」「セビリアの理髪師」などもオペラブッファだそうです。

日本語の歌詞で「昔のように愛し合おう~」などと歌われると、割と普通のこと言ってるんだなあと思いますが、男女で重唱し、繰り返しリフレーンされると、歌はドラマ性を帯びて壮大に響き渡ります。
本場のイタリアオペラも、イタリア人が聴くとこんな感じなのかもしれません。

レスピーギの「ローマ三部作」は「噴水」、「松」、そして「祭り」。
「噴水」と「松」は割と聴く機会が多い曲ですが、これまで「祭り」を聴いたことはありませんでした。

今回の演奏の一番最後を飾ったのは交響詩『ローマの祭り』。
数多くの楽器が登場し、タンバリンやピアノ、オルガン、パイプオルガン、マンドリンまでオーケストラの中に混ざります。
客席に控えたトランペットが朗々とファンファーレを吹き鳴らし、まさに祭りのような、華やかな色彩感たっぷりの曲が展開されました。
すっかり魅了された、たいへん聴きごたえのある一曲でした。

指揮者も演奏家も歌手もホールも、全てが素晴らしかったコンサート。
やはりライブは格別。美しい音に触れて感情が揺さぶられ、心がすがすがしく磨かれた心地です。
もっと頻繁にコンサート会場に足を運ぼうと思いました。

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帰りがけに、来月開催される「ららら♪クラシック」のコンサートのちらしをもらってきました。
司会は高橋克典氏。この番組上でチェロも練習中なので、本人の演奏も披露されるかもしれません。
彼のお父さんを知る身として「息子がクラシックでサントリーホールの舞台に立つ日が来て、先生もきっと空から喜ばれていることでしょう」と思いました。
posted by リカ at 17:21| Comment(0) | 【music】Classic・オーケストラ | 更新情報をチェックする

2018年09月10日

現代能『陰陽師 安倍晴明』~晴明 隠された謎・・・~

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葦屋道満:梅若実 玄祥(能楽シテ方観世流・人間国宝)
安倍晴明:野村 萬斎(能楽狂言方和泉流)
葛葉姫:大空 ゆうひ(女優・元宝塚歌劇団宙組男役トップスター)
花山帝、語り部:桂 南光(上方落語家)
会場:東京・新宿文化センター 大ホール

藤間勘十郎の脚本補綴、野村萬斎の演出。
映画『陰陽師』からもう20年近く経つのだそう。それでもさすがは晴明萬斎、時の流れなど全く感じさせない、張りのある声と身のこなしで、登場するとたちまちに場の空気が凛としたものに変わりました。

梅若実 玄祥氏は観世流の人間国宝。ただ立っているだけでも、たたずまいがどこか違っており、その存在感たるやすごいものがありました。晴明のライバル、道満は、映画で真田広之が演じた役。ずいぶん相手役の雰囲気が変わったものです。

ほかに元宝塚宙組のトップスター、大空ゆうひが登場するこの舞台は、能・狂言・宝塚からの表現者が集まって作り上げたもの。陰陽師・安倍晴明の世界に能・狂言や日本舞踊の世界が加味され、いろいろなジャンルが混ざり合ったものになっています。
さらにステージ上ではプロジェクション・マッピングも使われました。

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式神は言葉を発しないと思っていたため、おしゃべりで騒がしく動く式神たちが新鮮でした。
また、桂 南光氏がバリバリの関西弁を話す帝役で登場した時には、会場の空気がなごやかになりました。

晴明の父親、保名と婚約していたのに結婚できず、権力争いに巻き込まれて非業の死を遂げた榊の前が、晴明の母親、葛の葉の姿で蘇り、晴明と対峙するという緊張のシーンは、見どころ満載。
ただ頭の隅では、保名と榊の前とのそのエピソードが気になって仕方がありませんでした。
安倍晴明と道満との式神対決に、大きな五芒星が登場。見がいがありました。

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画像はステージナタリーより 

演じる皆さんは、それぞれの世界を代表するレベルの人たち。
多様な表現法で舞台を作り上げていき、新しいかたちのステージができあがっているのだなあと思いながら鑑賞します。
現代能と銘打たれていますが、能面を付けない以上、ずいぶん違うものになっているなと思いますが、これもまた日本文化の融合で、新しい形での現代劇だなと感じました。

2日間のみの公演というのがもったいない気がします。
花束がたくさん飾られている中に、晴明神社の宮司さんからのものがありました。
その隣には、大空ゆうひファンクラブからの真っ赤なバラの花束がありました。
幅広いわ~。

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公演終了後、出口に向う人々の中に、能の刺繍の帯の和服の女性がいました。
この日にピッタリ合って、とても粋でした。


posted by リカ at 18:33| Comment(0) | 【finearts】西洋画 | 更新情報をチェックする