2016年09月08日

リズムでつながる〜米国発祥の新しいチームビルディングプログラムを体感しよう〜

9月7日(水)赤坂プラス
講師:橋田“ペッカー”正人(パーカッショニスト)

「チームビルディングプログラム」とは初めて聞く言葉。いったいどんなことだろう?
そう思いながら行った会場には、さまざまな形をしたアフリカのドラムがたくさん置かれてあり、参加者は円卓状に座って、めいめいに楽器を手にしていました。

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私も、あいている席に座り、座席にあったウッドペッカーを手に取ります。
前に木製のものを持っていたため、抵抗なく鳴らせます。

見知らぬ参加者ばかりで、特に会話もないまま、なんとなくぎくしゃくした空気のままで、会は始まりました。
「じゃあお持ちの楽器を叩いてください」と言われ、おそるおそる鳴らしますが、音にもその臆した気持ちがあらわれて、どうにも張りがありません。

時折、講師のペッカーさんが軽い話でみんなをリラックスさせ、笑いを起こすと、そのたびごとに少しずつ音は大きくなり、次第に合って、一つの音になっていきました。
「リズムがよくなりましたね」

「リズムがいい」とは、すなわち「きちんとした生活を送っている」ということだそうです。
たしかに、一つ一つの動作にはすべて、リズムがあるもの。
それを意識しながら動いていると、気持ちの、そして生活そのもののメリハリにつながっていくようです。

はじめはてんでばらばらで揃わなかったカップルの合奏も、互いに目を合わせて叩くようにすると、次第に合ってきたのが聴いてわかります。
呼吸も合ってくるからでしょう。

太鼓だけでなく、みんなで叩く拍手も、叩いているうちに、次第にそろってきます。
大勢で一つの音を出していると、みんなとの一体感も感じられるようになります。
はじめはアイコンタクトで呼吸を合わせていたのが、次第に目を閉じて音を合わせるようになれるのは、めいめいバラバラだった気持ちが近くなったからではないかと思いました。

大勢で輪になって、言葉のいらない打楽器を叩くこと、これがアメリカ発のドラムサークルというプログラムだそうです。
みんなで叩いていると、誰もが周りに合わせようと思うもの。
そうしていつしか、きれいな音になるのです。

人は耳から始まるのだと教えてもらいました。
生まれる前は、目が見えずにまずは聴覚ありきで、母親の血流を聴いて育ちます。
そして聴覚が切れた時がご臨終なのだそう。
「観音菩薩という言葉もありますね」
確かに、名前に音が入っています。

音は非言語コミュニケーションで、特に音階のない打楽器は、聴くというよりも感じるもの。
言葉ではないため、ケンカをすることもない、平和な意思疎通ツールだそうです。

次第に、両隣の人と笑みを交わしたり、向かいの人と頷き合ったりするだけで、言葉が無くても意思疎通を感じられるようになっていました。
これってすごいですね。喋っていないのに、なにか強い温かいものを感じるのです。

そのうちに、様々な形のマラカスが出てきました。
バナナやリンゴ、金の豚やコッペパンの形をしたものがあります。
それを順々に回していきました。

塩化ビニールの筒も周ってきました。長さの違う5色の色に分かれており、叩くとそれぞれ出る音が違います。
色別に違うリズムを叩いて合わせると、なかなか奥行きのあるセッションになりました。

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さらに、いろいろな打楽器が周ってきました。
雷の音を出すものや火の用心の拍子木、こすってカエルの鳴き声を出す東南アジアの民芸品。
「人生楽ありゃ苦もあるさ〜」の時に聞こえるボヨヨ〜ン!や、ど根性ガエルの時などのホニャホニャ!といった効果音の楽器も。

簡単に鳴らせるものばかりで、音が出ると単純に楽しい気分。
みんなで鳴らした音が揃うと、嬉しくなります。
もうみんな、すっかり打楽器の魅力にひたりました。

最後にはすっかりうちとけて、なごやかになった参加者たち。
特にぺちゃくちゃとお喋りをしたわけではありません。ただ楽器を叩いて合わせていただけです。
それでも、穏やかな気持ちになって、みんなとの協調感を得られました。

ペッカーさんは、今回はドラムは叩かず、インディアンリコーダーを吹いてくれました。
素朴な音色に懐かしさを感じます。
彼のこののちのスケジュールは、ブルーノートやビルボードへの出演。
すごいですね。そう、この方、日本初のサルサバンド「オルケスタ・デル・ソル」を結成した方で、様々な有名アーティストのレコーディングやツアーに参加している実力派なのでした。

今は聴覚障害者のドラム演奏をボランティアで行っているとのこと。
「聴覚障害者が音楽を?」と思いますが、耳が不自由な人は、うぶ毛でリズムを感じるのだそう。
ライブには風船を持って行って、楽しむそうです。
どちらも、振動を感じ取るんですね。
映画『愛は静けさの中に』で、聴覚障害者のヒロインが、大きなステレオのスピーカーの振動から、音を楽しんでいたことを思い出しました。

合奏に言葉は必要ありません。みんなで一緒に楽器を演奏していたら、みんなとお喋りをしたような気になって満足できます。
自分がオーケストラに参加して演奏する時にも、確かに一体感は感じられますが、今回は音階のない打楽器なだけに、心臓の鼓動に近いような、より素朴なストレートな感じ。
おそらくは、言葉がまだなかった大昔の人々も、音を鳴らすことで共有感覚を感じていたんだろうなあと感じられたレッスンでした。

個が輪を作り、和になってまとまっていく流れ。
理屈なしにほっこりした気持ちになれます。
今の殺伐とした子供たちや、不登校の学生たちにも、ぜひ経験して、周りとのハッピーな一体感を体感してもらいたいと思いました。


posted by リカ at 17:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 【events】体験コース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月01日

納涼赤坂プラス寄席〜講談!落語の古典・新作!大衆芸能のパラレルワールドへようこそ 〜

8月31日(水)赤坂プラス
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出演:橘家蔵之助、神田陽子(講談)、三遊亭わん丈

毎年恒例の赤坂納涼寄席。私は初めて参加しました。
蔵之助氏のあいさつに始まり、最初の舞台は三遊亭わん丈氏の新作落語。
三遊亭円丈の弟子で、今年の5月に「二つ目」に昇進したばかりの新進気鋭の方。
「名前ですが、師匠が犬好きだったので…」といったところで、会場内のあちこちからクスクスと笑い声が聞こえました。(こらえきれず私も)

落語には、ずっと語り継がれる古典と、自分で作る新作があり、円丈師匠は新作落語の第一人者だそう。
そのお弟子さんですから、作り慣れているのでしょう。
タイトルは「プロポーズ」。
ほんわかしている咄家と思いきや、さすがは落語、シュールさとギリギリ毒味がきいた話でした。

寄席の前に、ウォームアップ的にしてくれた自分の家族の話がおもしろかったです。
厳格すぎてオレオレ詐欺に引っかからない祖母や、突っ張った息子に形から寄り添う母親の話に笑いました。

次は蔵之助氏の古典落語「替り目」。酔っ払った男と車屋、そして帰宅した男と妻との話でした。
しらふでぐでんぐでんの酔っ払いの真似をするのって、難しいですね。

それから神田氏による「応挙の幽霊画」。
怖い怪談噺かと思いきや、なかなか人情味あふれる話でした。
女性の講釈師の草分け的存在である彼女は、早稲田大学の学生として、講談の研究もされているそうです。
講談を聴くのはこれが2度目で、最初に聞いたのは12年前でしたが、やはりこの方による「唐人お吉」でした。

この方の話も面白く、開催している講談教室の生徒には牧師さんもいて、講談口調で「アブラハムへの道」をお説教するのだそうです。
聖書はとてつもなく長い話なので、全部を語るとなると、ライフワークになりますね。
また、カルメンやクレオパトラ、椿姫という題目でも講演するそうで、気になりました。

最後に蔵之助氏が再登場。
客席の質問に答えてくれます。さまざまな咄家が新作を出す中で、万人に受ける作品が残り、それが古典となるとのこと。
江戸後期には落語より講釈小屋の方が多かったということですが、いつしか立場は逆転したのだそう。
落語の歴史は300年と、実はそれほど古いものではないと知りました。
古典と言っても、明治・大正・昭和初期に作られたものなのだそうです。
講談は500年。歌舞伎は400年、能狂は7〜800年。能はさておき、講談は古い歴史があるんですね。

今では、なんといってもモンスター長寿番組『笑点』のイメージが強いため、打ち合わせの時に「座布団は何枚いりますか?」と聞かれることもあるのだそう。
「一枚で結構です」
座布団重ねは、大喜利の時くらいですからね。

わかりやすく話してもらえたため、すんなり理解できて、日本文化を楽しむことができました。


posted by リカ at 15:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 【lecture】講演会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする