2018年05月29日

国立科学博物館 常設展

国立科学博物館の地球館・日本館の常設展を見学。
大混雑していた特別展「人体」とはうってかわって、館内は空いていて快適。
一つ一つ見ていくとかなり膨大な時間が必要となるため、今回は「恐竜」に的を絞りました。

まずは地球館地下1階「地球環境の変動と生物の進化-恐竜の謎を探る-」へ。
恐竜のコーナーです。
アメリカ・ノースダコタ州で発見されたトリケラトプスの実物標本。
世界で2個体しか見つかっていないトリケラトプスの全身骨格の1つ。貴重な実物ですね。
レイモンドという愛称だそうです。

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ティラノサウルスのレプリカも迫力がありました。
愛称はかわいらしく、バッキー。
バッキーのアップ写真を待ち受け画像にしました🎵

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次に日本館へ移動。
開館以来、同じ場所で動き続けているというフーコーの振り子を見ながら、3階北翼「日本列島の生い立ち」コーナーへ。
日本で発見された様々な生物の化石が展示されています。
日本国内で初めて発見された首長竜のフタバスズキリュウの復元骨格、実物化石標本などもあります。

出たところに「ぼくはただの石じゃない」というコーナーがありました。

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アンモナイトの化石が置かれており、それを撫でていると、鏡に映る図がどんどん変わってきました。
おお~、身体がついて、手足を動かしています。
化石のアンモナイトが命を吹き返したCGです。

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おもしろい~。
展示室でアンモナイトをたくさん眺めてきたところなので、実際に触れられて嬉しくなりました。

日本館は建物も一見の価値があります。
中央ホールに埋め込まれたステンドグラスの窓。

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天井は白亜のドームになっており、東京駅をほうふつとさせる形になっています。

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下を見下ろすと、映画のようなロビー階。

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階段と踊り場もクラシカル。

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カーブを描く手すりも重厚です。

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外国人観光客に知られているスポットなのか、館内には海外の家族連れが割と多く見られました。
今回は、月の石や小惑星イトカワの微粒子には行きつかなかったので、また見学しに来ようっと。

国立科学博物館 常設展

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2018年05月28日

特別展 「人体 ー神秘への挑戦ー」

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けっこう長いスパンでの特別展ですが、評判通り大人気。
チケットを買うのにも、買ってからも行列ができています。
ということはもちろん、中に入ってからも行列は続きます。
ものすごい人に驚きました。
内容的に、美術館に比べて圧倒的に子供の比率が高いですが、みんな騒ぐこともなく、静かに見学していました。

2017年秋から全8回で放送されたNHKスペシャル「人体 神秘の巨大ネットワーク」とのコラボ企画展。
とはいえ、独立してまとまった展覧会となっているため、番組を観ていない私にも入りやすかったです。

全3章構成。
1章 人体理解へのプロローグ
人体解明の歴史や、初期における人体研究の手法が紹介されています。

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アンドレアス・ヴェサリウス『ファブリカ』
1543年 広島経済大学

博物館の企画だけあって、所蔵の標本や模型が多く展示されています。
15世紀後半から始まる人体解明・解剖学の歴史を、著名な研究者の業績に沿って、時系列に紹介していきます。
循環器系、神経系、消化器系、運動器系の人体の各パーツの紹介ごとに、レオナルド・ダ・ヴィンチの「解剖手稿」の原本が展示されていました。

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レオナルド・ダ・ヴィンチ「解剖手稿」より(英ウィンザー城王室コレクション)
【右】頭部断面、脳と眼の結びつき部分 1490-92年頃
【左】消化管と腎臓、そして尿管部分 1508年頃

おびただしい展示物の中でも印象的だったのは、江戸時代に日本へ入ってきた「キンストレーキ」。
グロテスクですが、19世紀前半にフランスで考案され、江戸時代末期に日本に輸入された、紙粘土製の人体模型。
日本には4体しか現存しない貴重な資料です。

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【右】キンストレーキ(男性) 19世紀 金沢大学医学部記念館
【左】キンストレーキ(女性) 19世紀 福井市立郷土歴史博物館(展示終了)


2章 現代の人体理解とその歴史

また個々の臓器・器官が種類別に並べられて、人体の構造がわかりやすく理解できるようになっています。
ヒトの臓器標本も展示されていますが、苦手な人を配慮して、希望者のみ観られるような設営になっています。

「脳」が人体の「司令塔」となる一番大事な部分だという、従来の固定観念を、圧倒的な最新の技術と情報量で覆してくれます。
人体は、脳が放つ命令に従って他の器官が機能するわけではなく、心臓、肝臓、腎臓などの臓器・器官が自律し、互いにメッセージ細胞(ホルモン)を発信・伝達し合っているネットワーク構造が形成されているのだそう。
トップダウン形式ではなかったんですね。

図や標本や各種模型や解説版をたくさん見て、頭が飽和状態になった頃に、NHKスペシャル「人体 神秘の巨大ネットワーク」と連動したコーナーがありました。
顕微鏡映像にカラフルな着色を施した写真コーナーや、人体の伝達構造を電気的に表現したインスタレーション「NETWORK SYMPHONY」で、感覚的に理解できるような工夫が施されていました。

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人が立った場所で、臓器の伝達の様子が変わる仕組み。
会場に大勢の人がいたため、天井はチカチカと輝き続けます。
人体内部とはおもえない、宇宙空間のような美しさを体感しました。

3章 人体理解の将来へむけて

日進月歩で進んでいる現在の科学研究。
次々と解明される最新ゲノム解析結果について紹介されていました。

今回の展覧会用に作られた解説用の模型は、どれも巨大に作成されており、とても見やすいものとなっています。
とにかく人であふれかえっているため、規格外の大きさなのが助かりました。

解説パネルも非常に詳細で、好きな人なら何度でも足を運んでしまいそう。
チケット売り場で観た感じでは、一人で観に来ている人もけっこう多く、確かにじっくり鑑賞したい人向きの企画展です。

出口はスーベニアショップがあります。
ポップなお土産は、どれも凝った楽しいものばかりでした。
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特別展 「人体 ー神秘への挑戦ー」
2018年3月13日~6月17日
国立科学博物館

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名工の明治

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今年は、明治元年(1868)年から満150年。
東京国立近代美術館工芸館開館40周年記念と合わせて、明治から現代までの名工による工芸品約100点が展示されています。
北の丸公園内にある国立近代美術館。
工芸館は、本館から徒歩5分くらいの距離ですが、ゆるい登り坂になっているので、もっと遠く感じます。

Ⅰ. 明治の技の最高峰―帝室技芸員

帝室技芸員とは、日本の宮内省によって運営された、最高峰の美術・工芸作家の顕彰制度で、明治中期から終戦前年まで任命されました。現在の人間国宝の前身ともいえます。

帝室技芸員であり明治工芸の超絶技巧者として名を馳せた、板谷波山、初代宮川香山、加納夏雄の作品が並びます。

香山ファンの私としては、彼の作品を見られただけでも来たかいがあります。
雛を見守る親鳥の愛情あふれる作品。

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初代宮川香山 (1842-1916) 鳩桜花図高浮彫花瓶 c.1871-82 陶器


菖蒲図花瓶は超絶技巧作ではありませんが、控えめながら凛とした形と採色の美しさが際立ちます。
初夏を体現しているかのような作品に、しばらく見入りした。

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初代宮川香山 (1842-1916) 色入菖蒲図花瓶 c.1897-1912 磁器


Ⅱ. 明治の名工―鈴木⻑吉と《十二の鷹》

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今回のメイン展示。1室まるごとこの作品のためにしつらえられ、中央に十二羽の鷹が停まっています。
今にも動きそうなほど、リアルな仕草の鷹をいろいろな角度から眺められるぜいたくさ。
金、銀、銅、赤銅、四分一といった金属を使い分け、どっしりとした中にも華やかな効果を上げています。

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これは帝室技芸員だった鈴木長吉(1848-1919)の代表作の一つ。
実際に鷹を飼って観察し、4年の製作期間をかけて生み出した精緻な表現。
観れば観るほど、その精巧さに驚くばかりです。

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1893年に開催されたシカゴ・コロンブス世界博覧会で発表され、好評を博したもの。
東京国立近代美術館工芸館が所蔵しており、数年をかけて修復・復元したもののお披露目会となっています。
発表当時、アメリカ人も生きているような鷹の姿を見て、舌を巻いたことでしょう。
いやあ、これは本当にすごいわ。一見の価値ありです。

Ⅲ. 技の展開と新風

鷹の興奮冷めやらぬままだったので、多少ポーっとしながらの鑑賞となってしまいましたが、第1章に一つあった板谷波山の作品が、さらに3点も展示されていました。

田辺⼀竹斎(二代竹雲斎) (1910-2000)の「透し編瓢形花籃」(1939)は、見事な竹細工品でした。

Ⅳ.技を護る・受け継ぐ−戦後の工芸保護政策と、今日の技と表現

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戦後から現代の人間国宝による作品までが展示されています。

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十二代今泉今右衛門「色鍋島緑地更紗文八角大皿」 c.1974

美しい色合いが目を引く今泉今右衛門の八角大皿。
よく見ると不思議なデザインで、尻尾の長いユーモラスな顔の動物が描かれていました。
ムジナかタヌキでしょうか?

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北⼤路魯山人 (1883-1959) 色絵金襴手蓋物 c.1940 磁器

魯山人による、朱と金を基調とした華やかな五点ものの蓋物。

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黒田辰秋 (1904-1982) 朱漆流稜文飾箱 c.1957

なんとも不思議な箱です。
どこがふたでどうやって開けるのか、よくわかりませんでした。
日本にもこんなモダンデザインの萌芽があったとは。

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江里佐代子 (1945-2007) 截金六角組飾筥 六花集香 1992 木、金属箔、截金

同行の母が一番注目した作品。
女性ながら截金分野で3人目の人間国宝(過去最年少)となりましたが、近年突然死去され、芸術界が悲しみに沈んだとのことです。
落ち着いた品のある飾り箱が展示されていました。
厚さ1mm以下の細い金箔や銀箔を張り付けた細かな模様。
これも、ふたを開けた時の様子を見てみたいものです。

2020年には金沢に移転が決まっている工芸館。
あと2年後に迫り、カウントダウンも始まっています。
そんな中で、館が所蔵する明治の傑作品を鑑賞するいい機会となりました。

工芸館開館40周年記念 名工の明治
2018年3月1日(木)-5月27日
東京国立近代美術館工芸館