2018年07月31日

自分で縫い上げる~この夏の浴衣づくり”2018” 第2回目

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6月30日に開催された、シブヤ大学の[みんなの手しごと]自分で縫い上げる~この夏の浴衣づくり”2018” 第2回目に参加し、写真とレポートを担当しました。

詳しくは、シブヤ大学のサイトにアップされています。
「当日の授業レポート」
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毎年夏に開催される、恒例の浴衣講座。
全3回で、最終回には生徒の皆さんはほとんど浴衣を完成され、お披露目会を行ったのち、自分で縫った浴衣をそのまま着て帰られたそうです。

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お疲れさまでした!

[日記ブログにも関連事項を書きました]
● 和裁の世界をのぞき見る~運針、鏝、竹尺


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2018年07月20日

論語で学ぶ大人のコミュニケーション~自分も他人も幸せになる古(いにしえ)の教え~

赤坂コミュニティカレッジ7月講座
講師:井上象英 氏 NPO法人論語普及会顧問

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赤坂で孔子と『論語』についてのレクチャーを受けました。

紀元前551年の春秋時代に魯の国に生まれた孔子。
父親は高齢のため早くに亡くなり、母親に道徳的な「禮(れい)」について教わって育てられたとのこと。
孟子の母親を孟母というように、孔子の母親も孔母と言うのでしょうか。

彼は、500年前に活躍した礼学の基礎を作った周公旦から学び、「礼」を重んじる儒学を開きました。
ちなみに周公旦は、中国の周王朝を創始した武王の弟です。

『論語』とは、孔子の死後、弟子達が記録した言行録。
全20編で構成され、『孟子』『大学』『中庸』とあわせて儒教の四書に数えられています。

『論語』の中でも最も代表的なのは「学而(がくじ)」と「為政(いせい)」の編。

「子曰く、学びて時に之を習う、亦説ばしからずや。朋有り遠方より来る、亦楽しからずや。人知らずして慍らず、亦君子ならずや。」

「学習」の言葉の元となった有名な一説を、先生のあとに続いて、みんなで朗読します。
「子曰く」は、学校で「し、いわく」と教わりましたが、先生は「し、のたまわく」と読まれました。

「子曰く、吾、十有五にして学に志し、三十にして立ち、四十にして惑わず、五十にして天命を知り、六十にして耳従い、七十にして心の欲する所に従えども、矩を踰えず」

これは孔子の人生を語ったもので、五十の時に知った天命というのは、自分は国の政治ではなく人物を作るべきだと悟ったことだとのことです。

「温故知新」の元も論語にあったと知りました。

儒教とは、尊敬や道徳の色の濃い教えだと思っていましたが、実際には「社会の秩序は思いやりや愛情だけでは保てず、社会的モラルとして義が必要」という考えに立っている思想だそうです。

有名な「禮(礼)」や「仁」は人間の理想の姿を説いたもので、具体的な「忠」「孝」「信」という倫理感も教えているとのこと。

ソクラテスやキリスト、釈迦の教えとの比較を聞きながら、孔子を含めどの聖人も、のちに弟子がその教えを筆記して本にしているんだなあと思いました。

儒教は日本に取り入れられ、足利学校では儒学を中心にした学問が教えられていたそうです。
当時の教えをほうふつとさせるような資料が回覧されました。

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藩校には、孔子の銅像があるのだそう。今度訪れた際には気を付けて探してみたいものです。

孔子の血は脈々と受け継がれ、今は79代目の孔垂長さんが子孫としてご存命。
その方から先生に献本された、中国出版の論語集もありました。

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論語の中で、孔子は「聞く」という書き方はされないのだそう。
「聞く」は自分主体を意味する言葉で、彼は常に人の言うことに耳を傾け、「聴く」ことをしていたのだそうです。

時代が移り変わり、現代のアジアの国の中で、儒教の教えが一番残っているのは、日本なのだそう。
もはや中国も韓国も、その教えは薄れてしまっているようです。
国語の時間にさらっと習っただけの論語を、今回時代背景や家族関係も含めてレクチャーしてもらい、あらためて孔子についての理解が深まりました。

2018年07月18日

夜間特別鑑賞会「モネ それからの100年」

「モネ それからの100年」の夜間特別鑑賞会に参加しました。
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印象派を代表する画家、クロード・モネ。
今回の展覧は「それからの100年」というタイトルですが、なにから100年たったのだと思いますか?
モネが生まれてから?それとも亡くなってから?

実は、そのどちらでもありません。
晩年に集大成として数多くの「睡蓮」の作品を描いたモネが、パリのオランジュリー美術館の睡蓮の大作に取りかったのが、今から100年ほど前のことでした。
つまり「睡蓮」連作の開始から100年間ということです。

この展覧会では、モネの初期から晩年までの絵画25点(日本初公開も含む)と、抽象表現主義からモダンに至る26人の現代作家の作品をあわせて展示することで、モネがこの100年間に及ぼした影響がわかるようになっています。
現代美術に及ぼしたモネの影響は、作品それぞれ。
完全なオマージュもあれば、作家本人さえモネの影響に無自覚のまま、受け継がれている芸術性もあります。

◆ 横浜美術館学芸員・坂本恭子氏によるレクチャー

まず、プロジェクターホールで、学芸員の方のレクチャーを受けました。

モネの作品と現代作家の作品を並べて、どんな風に影響を受けているのか図示していただき、鑑賞方法を教わります。
現代アートは難解だというイメージから、多少苦手意識がありますが、見方を知るとずいぶんわかりやすくなるものです。

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※会場内の写真は、特別に撮影許可が下りました。

プログラム
Ⅰ 新しい絵画へ—立ち上がる色彩と筆触
Ⅱ 形なきものへの眼差し—光、大気、水
Ⅲ モネへのオマージュ—まざまな『引用』のかたち
Ⅳ フレームを越えて—拡張するイメージと空間


◆ 第1章「新しい絵画へ—立ち上がる色彩と筆触」

印象派グループのメンバーとして活動を開始したモネの1870年代の作品。
この章のキーワードは「色彩」「筆触」。

印象派といっても「筆触分割」という新たな手法で、光や大気の流れも表現しようとする写実主義を目指したモネ。

明暗や遠近法ではなく、色彩そのものを共鳴させようとした彼の手法は、併せて展示されるルイ・カーヌ、ウィレム・デ・クーニング、中西夏之といった20世紀の画家の作品の構図や色彩の表現に、その影響を見ることができます。

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(左)クロード・モネ 《モンソー公園》1876年
(右)クロード・モネ《サン=タドレスの断崖》1867年
※《モンソー公園》の展示は8月17日(金)まで


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(左)クロード・モネ《わらぶき屋根の家》1879年
(右)クロード・モネ《海辺の船》1881年


モネの初期の風景画。海岸の砂浜を表す際にさまざまな色を用いることで光の加減や質感を表現し、空にも光のとどめ方や風の移ろいが見てとれます。

◆ 第2章「形なきものへの眼差し—光、大気、水」

移ろいゆく光や大気の瞬間を作品にとどめることをテーマとしたモネは、セーヌ河の天候や光、水面の表情が変化していく様子を何枚もの作品に描きました。

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(左)クロード・モネ《セーヌ河の日没、冬》1880年
(右)クロード・モネ《ヴァトゥイユ、水びたしの草原》1881年


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(左)クロード・モネ《ジヴェルニーの草原》1890年
(右)クロード・モネ《チャリング・クロス橋》1899年


作品には、影を黒ではなく青や緑で表現するなどといった手法が見られます。
この章では、モネが1880年代から着手した「ロンドン」連作と、現代のマーク・ロスコ、ゲルハルト・リヒター、モーリス・ルイスの絵画、水野勝規による今回のための新作映像インスタレーション・ビデオなどの現代アートが紹介されます。
モネの影響は、彼らの風景の抽象化、光や瞬間の表現、空間の表現といった表現法に見て取ることができます。

◆ 第3章「モネへのオマージュ—まざまな『引用』のかたち」

「オマージュ」がテーマのこの章には、モネの作品はなく、彼にインスピレーションを得て創意をこらした現代の作品が集まっています。
紹介される作家たちは、モネの「積みわら」や「睡蓮」をベースにリトグラフの版画作品を発表したロイ・リキテンスタインや、「睡蓮」をベースにしたルイ・カーヌ、堂本尚郎、平松礼二など。

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(左)福田美蘭《モネの睡蓮》 2002年
(右)湯浅克俊《Light garden #1》 2009年


《モネの睡蓮》は倉敷の大原美術館の中庭の池に浮かぶ、ジヴェルニーのモネの池から株分けされた睡蓮と水面の反射が重なる光景を描いたもの。
水面に映っているのは大原美術館の建物です。
《Light garden #1》は、モネのジヴェルニーの庭を木版で表したものです。

◆ 第4章「フレームを越えて—拡張するイメージと空間」

館内の円形の展示室に「睡蓮」の連作が飾られている様子は、オランジュリー美術館の睡蓮の部屋をほうふつとさせるものがあります。
展示作品は、睡蓮の連作の初期のもので、後期のものとはまた一味違う構図になっています。

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(左)クロード・モネ《睡蓮》1897-98年
(右)クロード・モネ《睡蓮》 1897-98年


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(左)クロード・モネ《睡蓮》1906年
(右)クロード・モネ《睡蓮、水草の反映》 1914-17年


「睡蓮」の連作に、さまざまな後世の作家たちはインスピレーションを受け、表現が広がっていきました。
ここで紹介される作品は、アンディ・ウォーホル、サム・フランシス、児玉靖枝、小野耕石、鈴木理策など。
キーワードは「拡張性」で、反復表現の延長として画面の外の空間へと拡張していく表現法がとられた作品群となっています。

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(左)福田美蘭 《睡蓮の池》、(右)福田美蘭《睡蓮の池 朝》2018年


第3章でも登場した福田氏の作品がここにも2点。今回展示されている3点すべてに「イメージの重層」という主題が見られます。

《睡蓮の池》は夜の展望レストランを描いた写真作品で、昼の池ではなく、夜の都会の高層ビルの上の景色という全く違うシチュエーションながら、じっくり眺めていると、テーブルは睡蓮の葉に、夜景は水面の反射に見えてきます。
隣の《睡蓮の池 朝》は、今回の展覧会のために描きおろされた新作で、展示は横浜会場のみ。同じアングルからのこの2点の比較もまた楽しいものです。

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(左)アンディ・ウォーホル《花》1970年
(右)サム・フランシス《Simplicity》1980年(部分)


作風が全く異なるモネとウォーホルには、一見何の関連性もなさそうに思えますが、この《花》の発表時から、永遠の永続性にモネの、華やかな色彩にマティスの影響が指摘されていました。

《Simplicity》は、白いキャンバス地に鮮やかな原色の線や円が画面いっぱいに広がっています。
フランシスは、オランジュリー美術館のモネの作品に刺激を受け、このような浮遊感のある斑点絵画を手掛けるようになったとのことです。

他には、モネが表現を凝らした水面の移ろいをテーマにした、鈴木理策氏による写真シリーズ「水鏡」2作が印象的。

モネ作品に併せて展示されている今回の現代アート作品は、油彩画に限らず、水彩やアクリル、木版画、写真、そしてビデオといった、幅広い分野のものとなっています。
パッと見では影響を探すことが難しいものもありますが、解説板に作品それぞれの注目ポイントが書かれており、ガイドしてくれます。

日本人に人気の高いモネの作品は、これまで何度となく展覧会が開催されているため(もう十分観たなあ)という人も多いかと思いますが、今回はモネと他の作家の作品を見比べることで、印象派の中だけにとどまらず、現代のアートにも今なお脈々と受け継がれているモネの表現法を知ることができる、これまでとは一味違う展覧会となっています。

暑い毎日が続く夏ですが、館内は作品保護のために22度に保たれています。
涼しげな睡蓮の池を眺めながら、ひんやりとした鑑賞を楽しめます。
(寒がりの方は上着のご準備を!)

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「モネ それからの100年」
■会場:横浜美術館
■会期:2018年7月14日(土)~9月24日(月・祝)
posted by リカ at 17:38| Comment(0) | 【finearts】西洋画 | 更新情報をチェックする