2019年10月30日

「Milky Way&The Moon -忘れられない、天の川へ-」

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コニカミノルタプラネタリウム | 満天inサンシャインシティ‎

サンシャインシティ‎に行くのは久しぶり。
まず水族館を見て、食事を済ませ、その後でプラネタリウムを鑑賞しました。

プラネタリウムといったら、水族館のように子供たちがたくさんいて、ワイワイワクワクと興奮した声があちこちから聞こえてくるイメージですが、平日夜の上映に行ったため、子供たちの姿はありません。
もともと、大人を対象にしたプログラムなので、開演前からとても静かです。

静かに降りしきる雨の音と映像から、始まりました。
そこに重なる、俳優、池松壮亮のナレーション。
おちついた声に心地よいBGM、そしてどこからか漂ってくるアロマの芳香に包まれて、早々に眠りの世界に誘われます。
素敵な空間なので、起きていたいと思って頑張ったのですが。
頭の上に、雄大な天の川が広がったあたりまでは覚えていますが、そこで無情にも、記憶は途切れています・・・。

まあ、これはヒーリング用の番組で、リラックスするのが一番の目的。
意識しなくても、その通りの状態になりました。

終わってから、連れにどんな流れだったのかを教えてもらおうと思いましたが、やはり同じく寝落ちしていたようです。
プラネタリウムには、十分睡眠をとった状態で行かないといけないということを、すっかり忘れていました。

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ここの映写機はコニカミノルタ製。
日本科学未来館や川崎のプラネタリウムにあるメガスターIIがお気に入りですが、こちらも立派なマシンなので、しげしげと眺めます。
有楽町マリオンに新しくできた「コニカミノルタプラネタリア TOKYO」も、気になっています。

館内が明るくなると、雲シートや芝シートの席があるのが見えました。
寝転がって、星を眺めるようになっているプラネタリウム。
もう完全に、まどろみタイム用ですね。

別の時間には、かつて2006年に観た「銀河鉄道の夜」が上映されていました。
ブログ『銀河鉄道の夜』

(あれからずーーーっと放映されているのかな)と思いましたが、たまたま今、リバイバル上映されているようでした。
今でも、その時に観た素敵な映像が心に残っているので、再上映にも納得です。

そんなわけで、内容についてたいして覚えていない結果になりました。
代わりに、心地よい眠気に誘われて、とてもリラックスしたひと時を過ごせました。
もうこれは、ヒーリングの眠りの時間を楽しむのが一番なんでしょうね。
(どうしても最後まで観たい!)という方は、行かれる際には、十分に寝だめをすることを、お勧めします。
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2019年10月24日

永遠の少女といったらやはり…「不思議の国のアリス展」

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横浜そごうの美術館で開催中のアリス展。

2010年にも、日本橋三越本店でアリス展が開催され、観に行きました。
アリスは時代を問わず、人気があるんですね。
今回は、ルイス・キャロルの原作を元に、ルイスの自筆スケッチや挿絵画家の作品、そしてアリスをモチーフにした古今東西のさまざまなアーティストの作品約200点が展示される、日本初の大規模なアリスの展覧会となっています。

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ルイス・キャロル(チャールズ・ラトウィッジ・ドッドソン  1832-1898

ルイス・キャロルの本名はCharles Dodgson。
これまで読んだ本には、チャールズ・ドジソンと書かれていましたが、いつの間にかドッドソンという呼び名の方がメジャーになっていたんですね。

第1章 始まりの話 ― アリス誕生

物語と一緒によく知られている挿絵は、本人が描いたものと思っていましたが、違いました。
挿絵画家のジョン・テニエルによるものでした。
(2010年に書いた展覧会レビューを読み返してみたら、同じ感想を書いていました。すっかり忘れていたようです。ああ学習能力がなさすぎ!)

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ルイス・キャロル『地下の国のアリス』挿絵

ルイス本人は挿絵も描く気満々でしたが、美術評論家のジョン・ラスキンが反対したそうです。
テニエルの挿絵は、本人の絵よりも上手でした。やはりプロは違いますね。

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ジョン・テニエル『不思議の国のアリス』挿絵のための下絵

展示された挿絵の下絵は、すべて繊細なタッチの鉛筆画でした。
所蔵元はフィラデルフィア。
本国イギリスではなく、アメリカでコレクションされています。
ほかにも、今回の展示品はNY公立図書館の所蔵品が多いと感じました。
国内からは、聖徳大学の所蔵品が多かったです。
児童学科がある大学なので、児童文学研究も進んでいるのでしょう。

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チャールズ・ラトウィッジ・ドッドソン撮影
《アリス・リデルの肖像(複製)》(1858年)

詳しい年表が掲示されていました。
ルイスは1832年生まれ。180年以上前の人なんですね。
オックスフォード大学の数学講師となりながら、図書館司書補としても働いていたそうです。

彼が働きだした頃に、オスカー・ワイルドが誕生。
ルイスとワイルドは22歳離れており、アリスのモデルとなったアリス・リデルは、オスカー・ワイルドの2歳上でした。

第2章 アリスの物語 ― 不思議の国への招待

展示されているのは、次に紹介する、現在活躍中の7人のアーティストが手掛けたアリスの物語。
 ・チャールズ・サントーレ
 ・ヘレン・オクセンバリー
 ・ロバート・イングペン
 ・ラルフ・ステッドマン
 ・ジョン・ヴァーノン・ロード
 ・バリー・モーザー
 ・アンヘル・ドミンゲス
一人ひとり個性的なアリスの世界が展開されます。
第2章は、全面的に撮影OKです。

第3章 アートの国 ― 世界が愛する永遠のアリス

映画・アニメ・舞台のアリスについて。
『不思議の国のアリス』の初めての長編映画は1933年作で、『不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』のストーリーが盛り込まれたものでした。
名優ゲイリー・クーパーが白の騎士を演じたそうです。
一番メジャーなディズニーアニメは、それから20年近く後になってからの、1951年の作品でした。

そして、アリスを描いた古今東西のさまざまなアーティストの作品コーナーとなります。
アーサー・ラッカムが描くアリスは、原作の持つはちゃめちゃ感やドタバタのない、静かで古典的な世界。

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エリック・カール 『チェシャネコいもむし』 2018年

「はらぺこあおむし」の作者エリック・カールの、はらぺこあおむしをもじった「チェシャネコいもむし」という絵がありました。
チェシャネコがいもむしになるというメタモルフォーゼ。
去年仕上げたばかりの、新しい作品です。

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マリー・ローランサン『不思議の国のアリス』挿絵

マリー・ローランサンも、アリスの絵本を描いていました。聖徳大学所蔵。
黒髪のアリスだからか、どことなくオリエンタル感あふれる、東洋の少女のように見えます。

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サルバドール・ダリ『うさぎの穴に転がる(Down the Rabbit Hole)』

シュルレアリスムの代表的アーティストであるダリも、アリスを描いていました。
会場には、サイン入り扉絵が展示されています。
なぜか、どの挿絵のアリスも、縄跳びをしていました。
迫りくる圧巻の色彩と疾走感。う~ん、シュールです。

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山本容子 《Hop, Step, Hop, Step》 2007年

山本容子、草間弥生といった日本を代表する個性派女流芸術家の作品もありました。
草間風といえば黒いドット。とうとうアリスの顔までドット柄になっていました。

終盤には、「ミミクリーの小部屋」という、たくさんのアリスに登場する挿絵が飾られた部屋がありました。
その前に立って手を振ると、絵に描かれた人物たちがめいめいに手を振りかえしてくれます。
なんとも不思議な体験ができました。

子供のころから見慣れているアリスの物語ですが、今回、さまざまな表現によるアリス作品を観ながら、引っ掛かりを感じました。
思えばアリスは小さな少女。お茶会に参加して紅茶を飲むには、早すぎる年齢なんですね。

あのお茶会は、参加メンバーのキャラが濃すぎるため、一見おままごとのように見えますが、きちんとしたアフタヌーンティーセレモニーの流れに厳格に則っているという運びで話が進んでいきます。
そうしたところに、シュールさと違和感が生じているのだと、気が付きました。

発表から150年たった今もなお、世界中の人々に愛され、多くのアーティストがモチーフに採り上げ続ける『不思議の国のアリス』。
子どもも大人も引き込まれる、その魅力は尽きません。
今回は、館内で「リアル脱出ゲーム」とコラボしたイベントも同時開催されており、3連休の最終日だったこの日、大勢の人たちが熱心に挑戦していました。

2019年9月21日(土)~11月17日(日)
そごう美術館

そののちは、以下の場所で開催されます。

福岡 2019年12月3日(火)-2020年1月19日(日) NEW福岡市美術館
静岡 2020年2月1日(土)-3月29日(日) 静岡市美術館
名古屋 2020年4月18日(土)-6月14日(日) ※会場は後日発表
新潟 2020年6月27日(土)-9月6日(日) 新潟市新津美術館
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2019年10月18日

パリからやってきたおなじみの絵の数々~『ルノワールとパリに恋した12人の画家たち』

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横浜美術館の開館30周年を記念した展覧会です。
パリ・オランジュリー美術館所蔵の、ルノワール、セザンヌ、マティス、ピカソ、モディリアーニといった有名画家13人の作品、計69点が展示されています。
これほど大きな規模のオランジュリー美術館コレクションが日本で見られるのは、21年ぶりになるそうです。

今回は、章に分かれず、画家ごとに作品が展示されています。

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■ ルノワール

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オーギュスト・ルノワール「桟敷席の花束」1878‒1880頃
MUSÉE DE L'ORANGERIE

今回、8点展示されています。
シスレー、モネがどちらも1点ずつなのに比べて、ルノワール作はかなりやってきてくれました。

目下、東京都美術館で開催中のコートールド展には「桟敷席」が展示されています。

そちらには観劇に訪れた男女が描かれていますが、こちらは花束のみ。
描かれてはいないものの、劇場に現れた男女の存在を連想させる作品になっています。

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オーギュスト・ルノワール「ピアノを弾く少女たち」1892頃
MUSÉE DE L'ORANGERIE

幸せそうな空気が伝わってくる「ピアノを弾く少女たち」。
少女たちの周囲はかなりざっくりとした描かれ方をしていることに気が付きます。

実はこの作品、同じ構図のものが、オルセー美術館に所蔵されています。
そちらのタイトルは『ピアノに寄る娘たち』。少し違いますね。

ルノワールはフランス政府から、リュクサンブール美術館に展示するための絵画作成を依頼され、6枚の作品を仕上げました。
そのうちの1枚を政府が買い上げ、オルセーに展示されることとなりました。
オルセー所蔵の方は、人物も背景も細かく描き込まれており、完成版といった貫禄があります。
このオランジュリー所蔵版は、ルノワール自身が晩年まで手元に置いていた1枚だそうです。


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「ピアノを弾くイヴォンヌとクリスティーヌ・ルロル」1897‒1898頃
MUSÉE DE L'ORANGERIE

その絵の横には、彼女たちよりも年齢が上の2人の女性を描いた「ピアノを弾くイヴォンヌとクリスティーヌ・ルロル」がありました。
年上といっても、20歳と18歳の姉妹とのことで、こちらも若い女性たち。
背景は細かく描き込まれており、ドガの踊りの子の絵が見えます。

ルロル家で開催される音楽会には、いつもドビュッシーが招かれていたのだそう。
ということは、彼女たちが弾いているのは、もしかすると『月の光』かもしれませんね。

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■ セザンヌ

今回、5点展示されています。
いまでこそ絵画の主要テーマのひとつになっている静物画ですが、当時はマイナーだったそうです。

よりメジャーにしようと取り組んだセザンヌ。彼は
「私はりんごでパリを征服するぞ!」と言ったとか。

・・・カッコイイですね!

そのエピソードとと合わせて展示されているのは、ポール・セザンヌの「りんごとビスケット」(1879‒1880頃)。
しかし、それほどの気合をもって描かれたりんごなのに、タンジェリンやネクターっぽい果物になっていました。

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■ ルソー

今回、5点展示されています。
ちょうど数日前に、原田マハの『楽園のカンヴァス』を読んだばかりなので、個人的にルソーはちょっとホットな画家。
普段以上にわくわくと前のめり気味で作品と向きあいました。

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アンリ・ルソー「嵐の中の船」1899頃
MUSÉE DE L'ORANGERIE

砂漠やジャングルなど、異国情緒たっぷりの幻想的な風景画を残しているルソーですが、実際にはフランス国外に出たことはなかったそうです。
大型船に乗ったこともないため、この嵐の中の光景は、おもちゃの船かジオラマからインスピレーションを得た、彼の空想によるものと考えられています。
彼の想像力の強さには、いつも驚かされます!

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■ マティス

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アンリ・マティス「赤いキュロットのオダリスク」1924-1925年ごろ
MUSÉE DE L'ORANGERIE

今回は、7点展示されています。
マティスの絵を見ると、いつもどこか安心します。
彼の作品は、どれもマティスらしさにあふれているからです。
今回展示された作品もどれも、マティスならではの華やかで優しい色彩の美しさに富んでいました。

マティスらしさを求める期待を裏切らず、しかしワンパターンには陥らずに、作品ごとに新鮮な驚きを与えてくれる作家です。

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■ ピカソ

今回は、6点展示されています。
青の時代のものではなく、腕の太いがっしりとたくましい女性が描かれています。
ギリシア伝説をほうふつとさせる、彼の新古典主義の作品でした。

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■ ローランサン

今回は、5点展示されています。
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マリー・ローランサン「マドモアゼル・シャネルの肖像」1923
MUSÉE DE L'ORANGERIE

そういえば、オランジュリーを訪れた時、結構ローランサンの作品が多かったなあと思い出しました。
彼女は、ココ・シャネルと同い年で、同時代に活躍しましたが、シャネルはこの絵を「似ていない」と酷評して受け取りを拒否したそう。
マリーも「あの田舎者」と、シャネルを罵り、お互い確執ができたとのこと。
そんな曰く付きの作品だったとは。
気の強い二人は、お互いを強く意識していたのかもしれません。

ミュージアムショップでは、シャネルの脚に乗っている犬のクッションがありました。
飛んでいる鳥がポーチの柄になっていました。
どちらのグッズを見た時にも、(おや?)と思って、絵を見返し、確認しました。
ミュージアムグッズも、かなりニッチなものが出てきているんですね。


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マリー・ローランサン「ポール・ギヨーム夫人の肖像」1924‒1928頃
MUSÉE DE L'ORANGERIE

オランジュリー美術館のコレクションの礎を築いたのは、画商のポール・ギヨーム。
彼の亡き後は、妻のドメニカがコレクションを増やし、最終的にはフランス政府に譲渡されました。

この展覧会の最初に、アンドレ・ドランによる「大きな帽子を被るポール・ギヨーム夫人の肖像」が飾られていました。
どちらもドメニカを描いたものでありながら、なかなかリアリスティックに描かれたドランの絵に比べると、淡い色調でまとめられたローランサンの絵は、がらりと雰囲気が変わります。
気の強さはなりをひそめ、とても優しげ。

この絵の絵ハガキを、かつてピンクの木の額に入れて、自分の部屋に飾っていました。
その時には、モデルがどんな人なのか、全くわかりませんでした。
実際には女だてらにオランジュリー美術館の所蔵品を集め、女帝のようだと言われた凄腕のコレクターだったんですね。

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■ ユトリロ

今回は、6点展示されています。
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モーリス・ユトリロ「ベルリオーズの家」1914
MUSÉE DE L'ORANGERIE


ベルリオーズはフランスの作曲家ですが、その家をユトリロが描いていたとは。
ベルリオーズが5年間住んだモンマルトルの家は、有名だったそうですが、ユトリロがこの作品を描いた時には、もう引き払っていました。

1911年に、ジョルジュ・ブラックがこの家にアトリエを作り、その頃からユトリロはこの作品を描き始めたそうです。
なぜ「ブラックの家」というタイトルにしなかったのか?
当時は、ベルリオーズの方がブラックよりも名が知られていたのかもしれません。

この絵を見ていると、壁なのか、家なのか、曖昧で考え込みます。
壁に窓がつき、なにやら煙突まで何本も出ているようですが、おそらく別の角度から見たら、ちゃんと家になっているのでしょう。

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なじみ深い名作の数々に出逢えるこの展覧会。
会期期間は長めですが、横浜美術館開館30周年の記念展であるため、他の場所での巡回はありません。
気になる方は、横浜に向かいましょう。

『オランジュリー美術館コレクション ルノワールとパリに恋した12人の画家たち』
会場 横浜美術館
開催期間 2019年9月21日(土)~2020年1月13日(月・祝)


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posted by リカ at 19:09| Comment(0) | 【finearts】西洋画 | 更新情報をチェックする