2010年06月13日

大和古典芸能講座「昆曲と京劇」

nara.jpg奈良まほろば館
講師:張紹成(京劇俳優、ユネスコ世界無形文化遺産選定北方昆曲劇院特別プロデューサー)

京劇は好きですが、昆曲については全く知らず、昆明辺りの劇のことを言うのかと思っていましたが、蘇州辺りで始まった中国の古典的な舞台演劇で、崑劇とも言われるものだそうです。
昆曲は600年前、京劇は200年前、計800年の歴史があるとのこと。
二つの違いは、京劇と昆曲は歌舞伎とお能のような関係にあって、昆曲の作品はいくつも京劇に取り入れられているそうです。

講師の張紹成さんは、端正な御顔の現役の京劇俳優で、日本語も堪能でした。
京劇俳優となって30年だそうですが、京劇俳優が一人前になるために、まずは昆曲の踊り方や発声法を習うそうです。京劇を踊る上での基礎となるということでしょう。

スライドや動画を交えての解説となりました。昆曲も京劇も、衣装や様式は一緒で、旗や衣装を背負うと10数キロの重さになるそうです。違いは、京劇は舞わずに座って歌い、首を振る程度だところを、昆曲は、走りながら歌うそうです。

彼の師匠という人の動画を観ました。重い衣装をつけながら、足を顔のところまで何度も上げており、柔らかさと体力に驚きました。

他に、笛を使っているかいないかという楽器の違いがあるそうです。
昆曲は優雅で文化性が高く、セリフがたくさんあって、京劇の10倍大変だそうですが、京劇は歌謡曲でしかないのだそうです。

張紹成さんは将軍役も覇王別妃の虞美人などの女形も孫悟空もこなす人で、自分の衣装や小道具を見せてくれました。
黄色いシルクの、皇帝の室内着は、袖元が白くてとても長くなっています。水袖というそうで、その袖を使って様々な感情を表現するそうな。「誇張の美」だそうです。

また、たくさんの髭も見せてくれました。長い赤いヒゲは、それを見るだけで、塾の先生か商売人だと見当がつくそうです。これも「誇張」の効果があるとのこと。

京劇の命は、「美化」と「誇張」の二つに絞られるそうです。
旗を背負う人は、軍を率いている武将の意味で、舞台は戦場。
顔が白いと悪人で、歌舞伎とは正反対ですが、白顔に眉毛だけだと悪人で、隈どりがしてあると悪人とは限らなくなるそうです。
鼻だけ白いのは道化。
また、顔が赤い人は、忠義の人で、酔っぱらいではないそうです。

京劇は役を「生、旦、浄、丑」の四つに分けるそうです。
「四功五法」が芸の基本で、四功とは、唱(歌 3割)、念(セリフ 7割)、倣(仕草、演技)、打(立ち回り、武術)とのこと。

念のセリフは京白(北京言葉)で、セリフが下手だと客は大根(台本?)を投げるそうな。
動きは、円をかいて周るのが全てだということで、最後に歌と舞を実演して見せてくれました。

玉三郎が女形をしたという昆曲にとても興味が湧きました。機会があったら舞台を見て、京劇と見比べてみたいと思います。
posted by リカ at 17:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 【dance】民族舞踊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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