2011年02月12日

「人間国宝三代徳田八十吉展」

tokudy.jpg横浜そごう美術館

没後初となる大回顧展ですが、この人の知識を何も持たぬまま、展覧会に行きました。

赤はガラス成分がないため、赤以外の紺・紫・緑・黄のグラデーションで作ったという作品が、無数に展示されています。
観客は、腰が曲がっているほどの年配の方がほとんどで、はじめ少し気が引けましたが、そのうち作品に圧倒されて、周りのことは気にならなくなりました。

置物以外には形容できない、不思議な物体もあり、オブジェとは、生活使用目的のものではないものだとはっきり知らせているようでした。
タイトル通り、徳田八十吉を名乗った3代の芸術家たちの作品展。古久谷は、江戸前期のもので、緑が基調となっているようです。
石川県小松市は加賀藩のお膝元。前田家に保護されたのでしょう。
古いものは、伝統的な中国風のデザインが主になっていますが、時代を重ねるにつれ、どんどんモダンになっていきます。

初代は、やはり色が違い、古めかしさと威厳に満ちています。
二代は養子で、初代のあとを次ながらも、また別の個性を持った作品が並んでいました。
初代と二代が用いたのは1280度で焼く錦窯で、現存する日本最古のものは博物館に展示されているとのことです。
三代は小学校高学年から窯焚きの手伝いをさせられ、温度調節を間違えて、二度壊したことがあるとのこと。

やはり三代目の作品が一番多いように思いました。
初代と二代目とは違う、幾何学的なデザインのものを多く作り出しています。
三代は電気窯を開発、使用しているとのこと。

ダンス教師をしていたのに、祖父に呼び戻され、秘伝を伝授されたという三代目。
分量調合に関して「父(二代目)にも言うな」と祖父に言われたとのことで、厳しい芸の世界を思います。

初代が暗号的に残した帳面を解読しながら、色の調合をしていき、伝統の4色から200の中間色を生み出したとのこと。
芸を引き継ぐとは、大変なことなんですね。

三代のモダンデザインは北欧的で機能性も感じさせます。
これが九谷焼?と驚くほど斬新な表現法。
大皿がたくさんあり、よっぽど窯が大きいのだろうと思います。

どれも単純な色ではなく、深みのある色ばかり。皿を覗き込むと透明な深さを感じ、まるで宇宙のようだと思います。
小ぶりのバランスボールのように丸く大きいのに、口が直径1cmくらいしかないおちょぼ口の小さい壺があり、(どうやって作ったんだろう)と不思議に思いました。
画像にある、サンドバッグのような胴体を持つ大きさにおちょぼ口がついた壺もありました。大型のものばかり飾られているのは、とても華やかです。

形が複雑なものは、色をシンプルにしているという配慮をしているそうです。
お互いの力を殺し合わないようにでしょう。
漢字2字のタイトルが多かったです。「蓮菱=Linked Diamonds」「輪華=Foliation」など。
作品の中でも、「ろくろの限界まで遊んでみました」という「揺籃」や、「恒河」に見とれました。
丸い耀彩壺で、一本の線が描かれている作品。フォンタナの英に影響されたとのことです。
緑と紺の濃淡のマーブル気味の「ロンド」も美しい一品でした。 

広口の壺の内側にも、色が塗られているため、中の色も見たいと思いました。
鏡が作品の上に斜めに置かれていればよかったのに。

三代通じて、凛とした美しさ、存在感があるのは共通しており、心が落ち着きました。
四代は三代目の長女順子氏。初の女性とのことで、技の伝承と独創性を大いに期待します。
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