2011年01月04日

『もののけ姫』

2004570_l.jpgスタジオジブリ制作

公開当時、友人が「2回観たけれどよくわからなかった」と言っていたので、よっぽど難しい話だろうと思い、口の周りを血だらけにした少女のポスターにも敬遠して、ずっと観ずにいました。
でも、数年前に屋久島へ行き、この作品ではどんな風に屋久島の森林が描かれているのか、気になりました。

夢と希望のジブリというイメージを持っていますが、かなりすごみと野性味あふれる作品。
子供には難しそうです。
一言でいえば、自然と人間は共存できるのかという重い命題に向き合ったものとなっています。
夢とロマンあふれるヒーローではありませんが、アシタカ少年はとても英雄然とした主人公。
自分の宿命を粛々と受け入れ、あてのない旅へと出ていきます。
彼が乗るヤックルとの信頼の強さ。ヤックルに乗って旅をするといえば、『シュナの旅』を連想します。

そして出会った少女サンは、山犬に育てられた野生児。
とはいっても、『狼少女ジェーン』のように、四つん這いでうなるだけ、というわけではなく、きちんと人間として成長し

ています。いったい誰が彼女が人間だと教えたんでしょう。
まあ、かつては全ての生命が言葉が通じる世界だったんですね。

いよいよ危うい均衡が崩れ、自然と人間の全面対決の火蓋が切られます。
人間側も、生きるための選択を重ねてここまできているため、どちらが悪いと一概には言えません。
ここが、子供には理解が難しいところです。

話の難しさもありますが、私は固有名詞になかなかなじめませんでした。
シシ神、ナゴ、モロ、サン、エボシ御前、ジコ坊、タタラ場、ジバジリなど、硬い響きの言葉がたくさん出てきました。
あと、激しく鮮烈な少女サンですが、彼女の声に凄みが足りないのが残念でした。

デッサン力の確かさは、さすがのジブリで、どこをとっても絵になります。
しかし、ジブリ作品の中でも屈指のヒーロー然としたアシタカでも、戦争を避けることはできなかったというところに、この人間の無力さも感じました。
答えはなく、考えさせる作品。重くて深いです。
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください

この記事へのトラックバック