2011年07月03日

『スイミング・プール』

swmmingpool.jpg監督:フランソワ・オゾン、2003
出演:シャーロット・ランプリング, リュディヴィーヌ・サニエ

フランス映画祭に出品された頃からとても気になっていましたが、観ることなく今まで来てしまいました。
おそらくはオゾン作品自体も、これが初めて。
『まぼろし』から気になる監督でした。
今回の主演も『まぼろし』同様、シャーロット・ランプリング。
もう一人のヒロインは、ポスターにも登場しているリュディヴィーヌ・サニエ。

イギリス女性サラとフランス女性ジュリー、人気ミステリー作家と無職、中年と若者、気難し屋と奔放、男の恋人と娘、という、対照的な二人が、夏のバカンスを利用して南仏の別荘で鉢合わせし、そのまま奇妙な共同生活を始めます。
女性同士の水面下での攻防や女としての羨望や嫉妬心がちらちらと見え隠れするため、観ているこちらがハラハラ。
そりが合わず、仲が悪いような二人ですが、なんとなく張り合いながらもお互いを認め合っていきます。

ところが突然起こる殺人事件。
ジュリーが一夜のアバンチュール相手に連れてきた男性を、殺してしまいます。
その死体を彼女と一緒に埋めるサラ。その男性を気に入っていたのに、なぜでしょう?
この辺りから、「?」マークが頭を飛び交いだします。

結局殺人はばれず、そもそも事件として立件されたのかも謎のまま、バカンスは終わり、二人はそれぞれに日常へと戻っていきます。

ロンドンへ戻ったサラは、別荘で執筆した原稿を出版社に持っていきます。
渋る担当者と対照的に、満足げなサラ。
そこに担当者の娘が登場。
ジュリーかと思いますが、振り返った顔は別人でした。名前もジュリアと似て非なるもの。

すぐに別荘のプールサイドでのカットバック。
プールの中から手を振るのは、ジュリア。
手を振り返す、サラ。
またプールにカメラが戻ると、そこで手を振るのは、ジュリー。
やはり手を振り返す、サラ。
ミステリー調と聞いていたけれど、そんなこともないような・・・と思いながら観ていたら、最後の最後でドキンとしました。

キツネにつままれたような気持ちのままに、映画は終了。
あれこれ考えましたが、おそらくジュリーはサラの妄想なんでしょうね。
そもそも別荘に滞在したのは、サラ一人だけ。
ジュリーとの共同生活、そして起こった殺人事件、全てが彼女の物語だったのだろうと思います。

実際の、彼女の恋人の娘は、ジュリーよりは美しさが劣るジュリア。
作家的には創作意欲が掻き立てられなかったのかもしれません。
日差しが強くてじりじりと人の意識を焼きつくすよう南仏の夏の太陽。
そこに照らされていると、この映画のように、かげろうのような白昼夢を観たりもするのでしょう。

ジュリーが輝く時にはサラはかすみ、サラが輝く時にはジュリーがかすむというシーソー的比率が印象的。
二人は光と影のような存在なのでしょうか。とすると、やはりジュリーはサラが生んだ幻の存在?
きれいな作品ですが、女の情念と深く潜んだミステリーに、静かにぞっとしました。
オゾン監督の『8人の女たち』も観たいと思っていますが、これも同じ感じで、ジワジワと謎にとらわれていくようなものなのでしょうか。
posted by リカ at 14:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 【Cinema】ヨーロッパ映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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