2012年09月02日

廃道サミット~廃道も旧道も地形図も橋も隧道も道路脇にある○○も・・・

top.jpg石井あつこ(廃道ガール)・今尾恵介(作家・日本地図センター客員研究員)・磯部祥行(実業之日本社編集者)
東京カルチャーカルチャー

旧道、酷道、廃道好きのまちゅさんよりお誘いいただいたイベント。
(えっこんなトークショーがあるの?)と驚きましたが、主催者が東京カルチャーカルチャーと知って納得しました。
東京カルカルのイベントプロデューサー、テリーさんと前から知り合いであったものの、まだイベントに参加したことがなかったため 、(ちょうどいいきっかけ)と行ってみることにしたのです。
(しかし、このイベントはテリーさんによるものではありませんでした。また次回に!)

廃道は、ほぼずぶの素人です。まちゅさんが時々熱く語るのを「へえ~」と、若干引きながら 聞いている程度。
ついていけなかったらどうしましょう。
でも、サブタイトルを見ると「橋も隧道も」と書いてあります。
橋もトンネルも好きなので、これならなんとか私も行けそう!

場所はZepp Tokyo。最近旅行続きで、地方の田舎ばかりを訪れていたため、お台場が普段以上にキラキラと輝いて見えました。
出演は、廃道ガール(すごい肩書)のトリさん。もとはサントリービール工場にお務めという意外な経歴をお持ちです。

そして地図道に詳しい作家の今尾さん。明大出身の打楽器奏者で、タモリ倶楽部からNHK「視点・論点 」までと幅広い教養番組に登場されている方です。
旧道への熱い語りがまちゅさんと同じで、(ほかにもこういう人がいるんだー)と驚きます。

CIMG3126.JPG


まず第一部は、トリさんと今尾さんによる 旧道・廃道の話。
廃隧道好きには(山を挟んで道があるということは、ここにトンネルがあるにちがいない)と推測するという、その推理力が大切なようです。
実際そこには鳥居トンネルがあり、「鳥居峠の地図を見ているだけで酒が飲める」と壇上は盛り上がっていました 。(かなりぼっちな気分の私)

十津川村の水準点 も紹介されます。
「誰にも気づかれぬままここにひっそりとあって、何十年も私のことを待っていてくれた」という思いが大事なんだそうです。

伊東の地図(宇佐美・網代 付近)では、年毎の修正版が提示され、等高線が微妙にわかりづらくなっていたりする箇所を指摘していました。
なんだかよくわからずにおりましたが、まちゅさんの解説によると、道がある場合には地図上の等高線をずらして書くため、その道が廃道になると、ずらした等高線がそのまま地図に残って不自然に空白地帯になり、(ここに道があったに違いない!)と推測できるのだそうです。へえ~。
大分の耶馬溪 にある舞鶴橋は、謎のループ橋。地図には残っていても、もはや廃道となっているため、もうその場所にはたどり着けない(存在しない?)のだとか。
切ないですね。じゃなくて、もうその興味の持ち方がマニア度高しです!
地図にない道を探していくのですから、断崖や土砂崩れの危険も高く、かなり「よいこはまねしないでね」の世界です。
(すごい集いに参加しちゃったなあ)と正直思いましたが、壇上の皆さんは、自身のマニアック度を公表しながら「うふふ」「あはは」 と、とても楽しそう。見ていてその幸せが伝わってきます。幸せな人を見ているのは、いいものです。

CIMG3130.JPG


休憩をはさんで、第二部。
今度はゲストがそれぞれ自慢の廃道・廃橋などをプレゼンします。
新潟出身の方が、地元の笹川流れについて詳しく語ってくれました。
羽越線の今川駅には他のとは違うデザインの「高波注意」の標識があるとのこと。
(といっても、通常デザインを知らないのでなんとも・・・)
古文書には「へつりあり難所」と書かれているそうです。
へつり (岪←読めませんね)とは、へり、つまり岩場の淵を渡る場所のこと なんだとか。(Cf.板貝へつり とか、塔のへつりとか)

昔からの道だと,難所の入り口に お地蔵様がいるそうで、つまり(この先は難所。うーむ、このまま進んでよいものか)と考えさせられるようです。
脇川大橋の「スパン桁」。
あまり旧道などのことを考えたことはありませんでしたが、出版年ごとの地形図の見比べをすると、地図と共に経過がわかったりするものなんですね。
地理学的な見地からのプレゼンが興味深かったです。

道路公団フェリーは、たこフェリーが廃止され 、今残っているのは九四フェリーのみだとか。
たこフェリーという言葉に、タコ部屋を連想しましたが、そういうひどいものではなく、明石航路だからのようです。
看板の「公団フォント 」に、みんな湧いていましたが、そもそもそういったフォントがあるということを知らなかった私。(ちなみに,現在は「ヒラギノ」フォントに変更中だそうです>まちゅさん情報)←高度すぎてついていけなーい。
海でも道路扱いだ!という数々の証拠が挙げられ、会場は興奮の渦が漂っていました。
「ドブメッキ」という専門用語も知らず、後で調べました。(それでもよくわからなかった…)
運輸省ではなく建設省管轄だそうで、建設省の意地が現れているんだそうです。
また、廃止されたフェリーも廃道扱いになっているという事実が、証拠画像とあわせて紹介されました。

IMG_0662.JPG


道端のおもしろい表示の数々では、傾斜30度の自転車から降りろという指示表示の画像などが紹介されました。 わざわざ指示されなくても、誰だって乗っていられなくて降りますよね!
トリさんは、廃道脇が妙に整備されて、花壇が作られていたらがっかりだと、マニアの複雑な心境を語ります。
ここで、動画が紹介されました。
今回はスピンオフ企画であり、大元の「廃道ナイト」の出演者、平沼さん の動画ということで、会場は大盛り上がり。
月山の道の駅にある人道橋、ふれあい橋の時には、会場が大受けでした。
初参加なので、ちょっとよくわかりませんでしたが、ふれあい橋という名前がネタのようです。
どこにでもある名前ということでしょうか。
さらに紹介された橋には、「Friendship Bridge」という英語名まで併記されていました。

磯部編集者のターンになり、ようやく橋の話になります。
橋は、
1:ガーダー橋(桁橋)
2:トラス橋… 1の一種。トラス構造。上路トラスは視界の問題で道路橋には少なく、鉄道橋に多い
3:アーチ橋
4:吊り橋…橋脚がないものが多く、重い ものを通しづらい。ベイブリッジ、明石海峡大橋 など
と大きく4種類に分かれるとざっくり概要が説明されました。

宮城の座主橋は、3代目まで違う種類の橋が更新されていったという珍しいパターンだとか。
橋は、丈夫ながらもなるべく水の抵抗を受けずにすむよう、橋脚を減らす ことが重要とされるそうです。
今度は「PC桁」という不明な言葉が出てきました。
「ニールセンローゼ」も頻出しましたが、これも知らない言葉でした。
アーチ橋のローゼ橋の一種だそうです。細かく分類されていきますね。

トンネルの話にもなりました。
みんな、トンネルという言葉は使わず、あえて隧道という言葉で進めていきます。
その方が萌えるんだそうです。謎めいていますからね…。
専門は火の見櫓(これまたマニアック!)と切り通しという方が、地元の鎌倉隧道を紹介してくれました。
「カマクラン」とは、アイヌ語で山を越していくという意味なんだそうです。
北海道と鎌倉は相当離れているので、関わりがあるのかはよくわかりませんが。
鎌倉には谷戸も多いということで、まちゅ氏はまた興奮していました。
谷戸は,谷津,谷地などとも表現され 、佐助ヶ谷の谷津(さすけがやつ)などがあります。
たしかに佐助稲荷の辺りは、奥まった場所になっているなあと思い起こしました。

北鎌倉ホームから見えるというトンネル。なんとなくしか覚えていませんが、なかなかおもしろそうな場所です。
好好洞といって、奥には料亭があったとのこと。
トンネルといったら、公道というイメージがありますが、鎌倉には個人の所有するマイ隧道もあり、ちゃんと表札が付いているそうな。
江ノ電にはマイ踏切があるそうです。
細かく複雑な地形に住居があるということでしょう。
江ノ島の切り通しは、目下閉鎖ということですが、ほかにも閉鎖中の切り通しが多く、残念に思います。
それでも鎌倉は近いので、今度行ってみたいものです。
最後にトリさんの言った「苔は廃道の年輪です」という言葉が、聴衆のピュアなハートにじーんと染みわたったところで、会はめでたくお開きとなりました。

8時終了予定が、実際には9時終了。1時間押しですが、参加者は誰一人文句を言いません。
みんな、ほんとに好きなんだな~と思いました。
うーん、かなりくじけそうになりながらも、連れにフォローしてもらったので、楽しめたし勉強になりました。まちゅ氏は前半、私は後半の内容に特に興味シンシンで、熱心に話を聞くことができました。

この記事へのコメント
http://kakuyodo.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/post-52e0.html

明石のたこフェリーの画像等です。よろしければw
Posted by 革洋同 at 2012年10月01日 23:15
革洋同さん、当日はどうもお疲れさまでした!
まさかコメントをいただけるとは思いませんでした~。
たこフェリーの画像も、どうもありがとうございます。鮮明ですね!
とっても勉強になった、ディープな夜でした。。。
Posted by Lily at 2012年10月02日 15:42
はじめまして。トリです。
たまたま検索でこちらのブログにたどり着きました。
遅くなりましたが、廃道サミットのご参加ありがとうございました。
ぼっちなご気分にさせてしまいごめんなさい。
なるべく内輪受けにならないように気をつけたのですが、なかなか難しく・・・反省です。
ふれあい橋は地名とか経緯とかを全く考えない、無難で最近ありふれた(ちょっと悪く言うとゆとり的な)橋の名前で残念だ、とカルカルの廃道イベントでは取り上げることが多いです。
私なんかは”ふれあいアンダーパス”とかみつけると心の中で「どうやってふれあうのさ!」と突っ込みを入れたりしています^^;
また廃道ナイトもあると思うので、よかったらまたご参加くださいませ。
乱文にて失礼いたしました。
Posted by トリ at 2012年10月18日 23:56
トリさん、こんにちは!
当日は総合司会、どうもお疲れさまでした~。
ぜんぜんぼっちじゃありませんでしたよ!壇上の方はもちろんのこと、参加者のディープ熱がすごくて、おどろきまくりでしたが、心地よかったです(^_^)
あそこまでディープにならないと物足りない人たちが集まっているのでしょうし、私がそのレベルになれればいいんですから!(遠いわ~、笑)

トリさんの横須賀隧道めぐりに、私の兄が行ってきましたよー。

これからどこか辺境でふれあい橋を見つけたら、有無を言わさずトリさんにご報告しようと思います!ではまたよろしくお願いしまーす♪
Posted by Lily at 2012年10月19日 10:53
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