2015年07月05日

バロックアンサンブル「ヴェネチアからの発信」

20150705.jpgby 慶應義塾大学コレギウム・ムジクム古楽アカデミー
at 慶応日吉キャンパス協生館

<プログラム>
ジョバンニ・バッティスタ・フォンタナ(c. 1571-1630):《1、2、3声のためのソナタ集》より 
ダリオ・カステッロ(c. 1590-1658)《現代様式によるソナタ・コンチェルターテ集》第2巻より 
マルコ・ウッチェリーニ(1603/1610-1680)《〈王者の余暇〉 ヴァイオリンと種々の楽器と通奏低音による音楽作品集》作品7より 
ヨハン・ローゼンミュラー(1619-1684)《2、3、4、あるいは5つの弦楽器とその他の楽器によるソナタ》より、他


日吉音楽学研究室主催。大学が開校している「身体知:音楽」という授業の成果発表の場だそうです。
全体指導者の石井明教授が、私の弦楽部OBと同じお名前で(もしや同一人物では)と思いましたが、別の方でした。

プログラムには「ピリオド楽器使用」とありました。
ピリオド楽器とは、作曲された当時の様式をもった(その当時使われていた)楽器のことを指すそうです。
演奏者の名前の横には、各自の楽器のデータが合わせて掲載されていました。
初めて見るものでした。

IMG_0624.JPG


古楽器ということで、音量が小さめだろうということと、珍しい楽器を間近で見たいという気持ちから、最前列に座ります。
これでバッチリだわ、と思ったところ、ヴァイオリンとヴィオラの人たちは、立って演奏するとわかりました。
一番ステージ奥に置かれたチェンバロ奏者は、足しか見えず、思っていたのと違う目線になりました。
おそらくバロック時代は、そのように演奏されていたのでしょう。

開始前に、石井教授から挨拶がありました。
「羊の腸のガット弦のため、今日のように雨の日だと湿気を含むため、調律に時間がかかるかもしれません」と言われました。
生きている楽器だなあと思います。

演奏者は大勢おり、男性が多く感じました。
曲によってメンバーが変わります。
曲のたびに、立ち位置が変わる人もいますが、誰もステージ上でうろうろすることなく、スムーズに移動をしており、事前に念入りに練習したのだろうと思われました。

ピリオド楽器には全く詳しくありませんが、普通の楽器よりも高価なのは間違いないだろうと思うため、一定の演奏者人口がいることに感銘を受けました。

どの楽器も、バロック時代のものをベースにしています。ヴァイオリンやヴィオラは、特に違いは分かりませんでしたが、やはり違うもので、弓も同じではないのだそう。
チェロを見て驚きました。

床に立てて楽器をささえるエンドピンがありません。何度見ても、ありません。
足のない幽霊のようです。
当時はなかったんですね。演奏者は、両足で挟むように支えて演奏しています。

また、テオルボというリュートの仲間を、おそらく初めて見ました。
ラヴェルのピアノ組曲『夜のガスパール』に、そういったタイトルの難曲が入ってなかったかな?と思いましたが、そちらは「スカルボ」でした。近い!(?)
弦の多さに驚きます。全部で14本あるのだとか。
指版から完全にはみ出ており、見るたびに驚きでした。

またこの楽器は意外に大きく、成人男性と同じくらいの長さがありました。
演奏者は大変ですね。

一曲一曲、些細なずれがないよう、ステージ上で調律します。
古楽器はチェンバロに合わせるんですね。

7弦ほどあるヴィオラ・ダ・ガンバも登場しました。5弦チェロもあります。次々になじみのない楽器が登場するので、楽しみです。

曲目の多さに、はじめは驚きましたが、休憩をはさんでまったく飽きることなく最後まで聴きました。

IMG_0622.JPG


曲がすべて終わり、拍手を続けていると、再び石井教授が登場し、「これだけの曲目を練習したため、アンコールを用意する余裕がありませんでした。なので、プログラムの中からどれか一曲を演奏します」と、説明。
アンコール曲がなくても弾いてくれるというサービスが嬉しいです。
客席にリクエストを求め、再び最後の曲となったところで、石井教授は「この作曲家、ローゼンミュラーは、今回取り上げた曲の中では一番若く、ヴェネツィアで活躍したドイツ人音楽家ですが、彼はゲイのうわさがあり、ドイツにいられなかったと言われています」と、(なぜそのことを?)と思う解説をされたので、おもしろかったです。再び演奏者たちが登場して、奏でました。
最後の曲は、大きな楽器が勢ぞろいした、聴きがいのあるもの。
ガンバ、チェロ、テオルボ、全てエンドピンのない、足なし幽霊が揃ったような感じでした。

初めて聴くメロディなので、覚えられていなかったし、2回目に改めて聴くと、楽器の掛け合いのあるいい曲だなと改めて感じました。

学生の初々しい一生懸命さも伝わってきて、アマチュアの演奏とはいっても楽しく鑑賞できたひと時。
次の発表の時にも、また聴きたいと思いました。
posted by リカ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 【music】Classic・室内楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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