2015年08月19日

2015納涼赤坂プラス寄席

111.jpgby 橘家蔵之助、江戸家まねき猫、林家なな子 PLUS+

久しぶりに寄席に行きました。
聴きに行った回数はそう多くありませんが、落語はおもしろくて奥が深いので、いろいろな作品を知っていきたいと思っています。
まずスーツの方が登場し、口上を述べました。
どなたかと思ったら、橘家蔵之助師匠でした。洋服姿が新鮮~。
それから3席、聴きました。

1. 林家なな子「転失気(てんしき)」

なな子さんは、林家正蔵師匠の五番弟子。
落語家は、師匠に入門してから見習い、前座、ニツ目、真打と昇進していきます。
彼女は5月に前座からニツ目に昇進したそう。
前座だった5年間、一日も休日なしで、修業を重ねて芸に精進したそうです。下積み時代は大変ですね。

女性の噺を聴くは初めてなので、新鮮です。
「てんしき」とは何のことだろうと思ったら、屁のことでした。

主治医の前で知ったかぶりをした和尚さんが、小僧を使って言葉の意味を知ろうとします。
それを知った小僧が、お坊さんに違う意味を教えることから生じる、ちぐはぐさとおかしさ。

噺家は、登場人物を声で使い分けますが、女性だからか、声でのキャラクターづくりがわかりやすく、声優のようでした。
女性の寄席も、いいですね。

2. 江戸家まねき猫「音入り枕草子」

猫八の娘、まねき猫さん。蔵之助氏が「まやかしの(?)百万ドルの笑顔」と形容するだけあって、明るい笑顔が魅力的です。
壇上に上がる時に、ここのめくり紙の質の良さに感激していました。

江戸時代には、動物の真似をする人を総称して「猫八」と呼んだそうです。
猫の声を八通り(たくさんという意味)にも使い分けたというのが名前の由来で、猫八と呼ばれる人は何人もいたんだとか。
江戸家という苗字がつくのが、まねき猫さんの家系のルーツです。
たぶん今では、猫八は江戸家さんだけでしょうね。

お正月番組でよく猫八師匠の芸を見ていたので、おめでたい印象がありますが、落語の合間にも色物として登場するのだそう。

お題は、清少納言の枕草子に、自然の音を付けた朗読です。
最初に聞いた、鶏の鳴き声の本物らしさにびっくりしました。
もちろんプロの方だからこそですが、本当に、聞き分けがつかないほどそっくりです。
狼、蚊、ホタル(・・・は鳴かないので、清流の音)などなど。
雨粒のぴちゃん、ぴちゃんという音を、聴衆のみんなで立て、それに乗せて彼女はカエルの声を出しました。

声だけでなく、顔芸もかなりのもの。優れた状況模写力です。
季節感たっぷりの枕草子でした。

IMG_2082.JPG


3. 橘家蔵之助「鰻の幇間(うなぎのたいこ)」

最後に蔵之助師匠が登場。
「お忙しい中ありがとうございます。本当に忙しけりゃ、来ないんでしょうけど」
と言って、さらっと笑いを取ってから、流れるように話に入っていきます。

お題は、太鼓持ちの話。
太鼓持ちとは「ごまをする人」のことと思っていましたが、昔は職業として存在し、ピン助など有名な太鼓持ちが7、8人いたそうです。

さすがは真打。登場人物のやりとりが映像で見えるようです。
落ちがある人間ドラマを見た気分になりました。

話の途中で「クロモジ」が登場しました。
私は最近、(黒文字)楊枝のことを指すと知りましたが、ほかの聴衆はまったく動揺する素振りがないので、(みんな意味を知っているのかしら?)と思いました。
落語教養語なんでしょうか。

4. 解説タイム

その後、3人に落語について、いろいろと教えてもらいました。
落語は700-800作品あるのだそう。ほとんどが15-20分の長さだそうです。
中には30分や1時間のものもあるが、かなりレアなのだとか。

蔵之助師匠の初高座は浅草演芸ホールで、「狸の札」を披露したそうです。

噺家は、寄席で何を話すか決めていないと聞きました。
前の人のネタを聞いて、その内容に触らないものにするそうです。
酒飲みが登場したら、酒の話を避ける、など。
臨機応変でいられるのは、常に多くのレパートリーを持っているということでしょう。

歌舞伎の歴史は400年、落語は300年で、江戸中後期から始まったそうです。
古典落語というと、江戸時代の作品のような気がしますが、実際には明治、大正、昭和初期のものをいう知って驚きました。
もはや近代。古典のイメージはありませんね。

実は、江戸時代の落語作品は、小咄程度しかないのだそう。
落語の歴史は長いですが、その芸が確立されたのは、明治以降になってからで、現在まで残っている作品を古典というのだそうです。

思ったよりもずいぶん近い時代に芸術になったものだと知りました。
まあ、音楽のクラシックも、古典を指しているとは限りませんからね。

皆さん、壇上に上がる時はいなせな和服姿ですが、高座が終わって着替えを済ませると、距離感が近くなります。
気さくで親しみやすい方々でした。
今は、落語の世界に入門する若い人が増えているのだそう。
伝統が時代とともに続いていくのが、楽しみです。
posted by リカ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 【play】歌舞伎・能 | 更新情報をチェックする
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