2015年09月02日

「人生をプラスにする音楽の力U 〜 大人のためのオーケストラの話と弦楽四重奏〜」

88.jpg出演:東京フィルハーモニー交響楽団メンバー(Andrea Battistoni)
三浦章広(第1ヴァイオリン)、
平塚佳子(第2ヴァイオリン)、
須藤三千代(ヴィオラ)、高麗正史(チェロ)
司会:シニアコーディネイター 村尾真希子

プログラム:
  ・ドビュッシー『小組曲』より「メヌエット」
  ・モーツアルト K135
         「ディヴェルティメント」
  ・シュトラウス2世 「こうもり」序曲
  ・ピアソラ 「リベルタンゴ」
  ・山田耕筰 「赤とんぼ」
  ・シューベルト 「弦楽五重奏曲 ハ長調D.956」(第3,4楽章)「スケルツォ(プレスト)」「アレグレット」

東京フィルハーモニー交響楽団のメンバーによる弦楽四重奏を聴きました。
コンサートマスターをはじめ、団員の中でも選りすぐりの方々のカルテット。
シニアコーディネイターが「スペシャリストが多くて話しにくい」と言いながら解説してくれました。

東フィル(東京フィルハーモニー交響楽団)は日本で最も長い104年の伝統を誇るオーケストラだというのは知っていましたが、第1回目定期公演は歌舞伎座だったということに驚きました。
まさに和洋折衷、日本らしい新しい芸術の取り入れ方だったんですね。
150名もの団員を抱え、年に400回の公演をこなし年間動員数が60万人という大規模な楽団です。

今回は『クラシックは大人のエンターテインメント』というテーマ。
去年もここで演奏会が行われて、これがきっかけでコミュニティカレッジに通い始めたなあと思い出しました。

このメンバーでカルテットを組むのは初めてだそうですが、さすがはプロ、初めてを感じさせない息の合った演奏です。
団員紹介の時に「フォアシュピーラー」と言ったのが気になりました。
トップの隣に座る「次席奏者」のことだそうです。
皮むき器のことかと…(すみません!)

この日は前から2列目の左側。チェロ弾きの知人が取ってくれた席からは、もちろんチェロ奏者がよく見えましたが、バイオリン奏者の方は、ちょうど前の人と重なって、顔か指先、どちらかしか見られません。
やはりここは、指先の方を見ます。

間近で聴くプロの演奏は、極上です。
つやのあるのびやかな音色。ああうらやましい。

・ドビュッシー『小組曲』より「メヌエット」

ドビュッシーの弦楽曲にあまりなじみがなく、演奏後にタイトルが告げられるまでは、もっと近代の作曲家かと思って聴いていました。新しさを感じます。
「数字で計れるようなドイツ音楽から、色合いや空気が感じ取れるフランス印象派へ移行していった時の音楽」と説明してもらいました。

演奏の合間に、ちょこちょこと演奏者への質問を挟んでいきます。
チェロは、飛行機では一席分取るのだそう。
コントラバス奏者からもその話は聞いたことがあります。たしかにチェロも、上のトランクには入りませんね。
荷物として預けると、ぼろぼろになったりするそうです。

・モーツアルト K135「ディベルティメント」

小さい時から神童として演奏旅行を続けた彼は、今でいうアイドル的扱いを受けていたそうです。ゲーテも、幼い頃の彼の演奏を聴いていました。
若くして亡くなったものの、900もの曲を残した多産な作曲家。
楽譜に訂正を入れた跡がないというのが驚きです。
直しまくりのベートーヴェンとは対照的だそう。
この話の流れから、「アイネ・クライネ・ハナトムジーク」の出だしを弾いてもらいました。さすがはプロ、突然の演奏でも完璧でした!

再び、演奏者への質問タイム。
平塚さんは、『魔笛』の「夜の女王のアリア」がお勧めだそう。
どんな曲だったか、ぱっと思い出せないので、聴いてみようと思います。

・シュトラウス2世(19c) 「こうもり」序曲
華やかな曲。弦楽だけでも音のふくらみが大きく、盛り上がります。

・ピアソラ「リベルタンゴ」

ヨーヨー・マの演奏で日本でも有名になった曲。私も彼のチェロの演奏で聴き慣れていたので、バイオリン演奏で聴くのは新鮮でした。
チェロの音の深さとはまた違う、バイオリンによる高音のエッジの効いた刻みに心揺さぶられました。

ここで、サプライズゲストが登場しました。
なんと、東フィル首席客演指揮者Andrea Battistoniが来てくれたのです。
イタリア・ヴェローナ出身で、28歳という若さで指揮者を務める彼は、この日来日したばかりだそう。
このイベントの話をしたら「じゃあ行こうか?」と気軽に来てくれたとのことです。
気さくな人柄なんですね。

開催前、配られた公演チラシの顔写真を見て、(ロシアのピアニストのキーシンに似てるなあ)と思っていましたが、実際に見ると、似ているのは黒髪の巻毛だけでした!

彼はEテレの「TED」で、ハードロックのACDC「Highway to the Hell」とベートーヴェンの「運命」のメッセージが一緒だとプレゼンしたことがあるそう。

「ちょっとprovocative(挑発的)な論だったけどね」と言っていましたが、ベートーヴェンの演奏を聴いて失神する人が出たりしたため、当時はロックスターみたいなものだったそうです。
若者のクラシック離れはヨーロッパでも深刻で、何とかしたいと思っているということでした。

・山田耕筰「赤とんぼ」
ここで日本の作曲家を。ドイツ留学をした彼は、西洋音楽の普及に勤め、日本人の感性に合った旋律を多々生み出しました。

ここで須藤さんが、夏目漱石の息子、純一氏の話をしてくれました。
ヨーロッパ留学をしたものの、勉強もせず楽器ばかり買っていた放蕩息子だったそう。
東フィルに入り、戦時中でどんどん団員が出征していって、気が付けばコンマスになっていたそうです。(本人談)

・シューベルト弦楽5重奏「ブレスト」「スケルツォ」

バッティストーニ氏の飛び入り演奏により、チェロを一台加えた弦楽5重奏曲を披露してくれました。
チェロ2台の弦楽5重奏曲を聴くのは初めて。勢いのあるメロディで、迫力があります。

IMG_2190.JPG


彼の演奏はきちんとしていながら、日本人よりも豊かで独創的な表現力。
彼がチェロを弾く様子から、ダ・ヴィンチがイタリア人だったことを、突然思い出したほどです。
スピードと勢いのある曲のため、ヴァイオリンもすごい運指でした。

IMG_2192.JPG


アンコールは、今弾いたばかりの曲のフィナーレ部分。
すばらしい盛り上がりでした。
質の高い演奏を生で聴くと、とても豊かな気持ちになります。
あ〜、自分も楽器を弾きたくなったわー。
観がい・聴きがいがあったライブ。芸術の秋の始まりを感じました。
posted by リカ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 【music】Classic・弦楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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