2015年10月22日

日本初・ハラールイタリアンのオーナーから学ぶ ~日本のこと・イスラムのこと~

10月21日(水)
赤坂コミュニティカレッジ at +PLUS
講師:ムジャヘッド・ジャハンギール
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日本初のハラールイタリアンレストランを経営するムジャヘッド・ジャハンギール氏のお話を聞きました。
バングラデシュ出身の氏は大学卒業後、インド、パキスタンなどを放浪した折に日本も訪れて、国の清潔さと国民性に惹かれて「こんなに素敵な国はない」と移り住んだそうです。
それでも日本では、イスラム文化はそれほどメジャーではなく、特に食生活の面での違いが大きいために、来日してから大変だっただろうと思います。
イタリアンレストランで修行を積み、4年前から日本初のハラール認証取得イタリアン『PranPone』を経営する傍ら、ハラルやイスラム教についてのセミナーを行っているとのこと。
来日30年とのことで、日本人と同レベルの、流ちょうな日本語を駆使されていました。

ムスリムが来日した折に、本人も招待した側も一番頭を悩ませるのが食事。
以前外務省関連の仕事をしていた時、イスラム圏の要人を来日招聘する折にはホテルや訪問先でのレストランで出される食事全てに注文を入れる必要があると、担当者が苦心していたことが思い出されます。

また、通っていた大学では、マレーシアやインドネシアからの留学生の要望に応えて、数年前に学内に礼拝のコーナーを設けたとも聞きました。

今後、来日するムスリムはどんどん増加していくことと思われますが、生活習慣への正しい理解が無いと、変な誤解を生むことになりかねません。

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「ハラール」とは、ムスリムの食べ物。イスラム法上で食べることが許されている食材や料理のことで、「許されている、やっていいこと」という意味だそうす。
その反対語は「ハラーム」。
ハラールがYes、ハラームがNoだそう。
サウジ・サウダージみたいですね。(こっちはポルトガル語ですけど)

「ハラーム」なものは、アルコールや豚全般、毒を持つフグなど、身体に悪いもの。
血が含まれるものはNGだそう。
「血?」と、ピンときませんが、屠殺方法によって身体の中に血がたまるため、血抜きをした「ハラール」にするための処理法に則っていないものは、ダメなのだそうです。

「日本に豚が入っていないものは、ほぼない」と言います。
そんなに豚ばかり食べている意識はありませんが、ラードや乳化剤のポークエキスなどといったうま味調味料に、豚由来のものが含まれているのだそう。
ふだん、そこまで考えていませんね。

ただ、ムスリムは、今にも餓死しそうで、目の前に豚肉しかなかった場合には、それを食べても許されるそうです。「死んでも法に従え」ということではなく、あくまで「健康的に生きる」ことを目的としていると聞いて、思ったよりも融通が利いているだなと思いました。
絶対に輸血を禁じているキリスト教一派とは違うようです。

ただ、たとえ誰も見ていないところでも、「ハラール」は順守するのだそう。
自分と神との約束だから、人の目は関係ないそうです。

また、一口にムスリムといっても、アラビア半島とマレー半島では違いがあるようです。
アラビア半島では、ほぼ全員がイスラム教徒で、ムスリム100%のサウジアラビアは非常に厳格な戒律が敷かれているそうですが、マレー半島は人種のるつぼで、さまざまな宗教を信じる人がいるので、状況がまた違ってきます。

イスラム法で国が動いているところと、トルコなどのように民主主義でありながら、宗教だけイスラム教のところがあり、後者は割とゆるいのだそう。

これまで知っていたムスリムのことは、どれも日本側からの目線ばかりで、ムスリム本人からの話を聞いたのは初めてのこと。
まだまだ知らなかったことが多いと、気づかされました。

日本醤油協会主催の「第7回しょうゆ味レシピコンテスト」和食の部で、氏が考案したハラールハンバーグが金賞を受賞したそうです。
氏もすごいですし、これを優勝とした協会側も、ハラールの必要性を感じているからでしょう。
江古田にある氏のイタリアンハラールレストランには、ムスリムが訪れる場所となっているそうで、今後ますますハラール食は、日本に広まっていくだろうと思いました。

  ・PranPone(プランポーネ/江古田)
  ・日本ハラール協会 
  ・Halal Media Japan 
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