2015年11月19日

藤原功次郎トロンボーンリサイタル

e000597_poster1.jpg11.16 at 東京工業大学レクチャーシアター
by 藤原功次郎(トロンボーン)、原田恭子(ピアノ)

(プログラム)ルドルフ・ズィーツィンスキー「ウイーンわが夢の町」
プッチーニ 歌劇「トゥーランドット」より"誰も寝てはならぬ"
フェルディナンド・ダヴィッド 「トロンボーン小協奏曲」
菅野祐悟 「【軍師官兵衛】メインテーマ」(2014)
フランク・マルタン バラード(1940/1941)
藤原功次郎 約束(2015) 風(2010)
ベートーヴェン ピアノソナタ第8番ハ短調「」から悲愴第2楽章
アンリ・トマジ 「トロンボーン協奏曲」(1957)
(アンコール)
東京工業大学管弦楽団、ロスガラチュロスのトロンボーンセクション

今月3日にもトロンボーンの交響曲を聴いたところで、今月はいつになく、トロンボーンづいています。
会場は全席自由で、行った時にはもう最前列しか空いておらず、間近なステージに少し緊張しながら座りました。
日本フィルハーモニー交響楽団の首席トロンボーン奏者で、日本人で初めて国際原子力機関IAEA(ウィーン)でソロリサイタルを行った演奏家ですが、とても明るく気さくな人で、関西出身のノリもよく、楽しいMCでした。

お喋りをしながら、ラヴェルのボレロの話になり、一節吹いてくれると、その美しい音色に会場からは大拍手。
ボレロでトロンボーンだけに集中して聴くいたことがないため、新鮮です。

トロンボーンの楽器の説明もしてくれました。
詳しいことはよく分からないながら、あの長いところは、縦にしても落ちないと思っていましたが、実はストッパーがなく、押さえていないとストンと落ちるんだそうです。

小柄な方は一番腕を伸ばす6音(C)を出すのが大変で、身長150cmほどの人は、紐をつけて動かすそうです。今度、演奏方法を気を付けて見てみたいところです。
またトロンボーンは、成人男子の音域と一緒なんだとか。それで聴きやすい音色なんですね。
そのため、歌に合わせやすく、実はオペラでよく演奏されるそうです。

音楽家のプロとなることの大変さも、さらりと教えてもらいました。
今では日本フィルの首席トロンボーン奏者の彼ですが、オーケストラには欠員が出ないと入れないため、欠員待ちの人がひしめいているそう。
第1次審査で100人が5人になり、第2次審査で一人となったとしても、その後の試用期間で8割の団員の支持を得られなければ、残れないのだそうです。
音楽の世界は厳しいですね。

IMG_3731.JPG


演奏しながら、曲を解説してくれる、分かりやすいステージ。
ズィーツィンスキー「ウイーンわが夢の町」:
曲目は知りませんでしたが、耳なじみのあるノスタルジックな曲。

プッチーニ 歌劇「トゥーランドット」より"誰も寝てはならぬ":
舞台は中国。トゥーランドットとは姫の名前。あまり中国っぽくないので、よく忘れてしまいます。
そこに求婚に来た、ダッタン人のカラフ王子。王子の名前を翌朝までに当てないと、結婚することになるため、ワガママな姫は国中に「寝ずに探し出せ」と大号令を出します。
この歌は、王子の勝利宣言の歌。だから勇壮なんですね。

フェルディナンド・ダヴィッド 「トロンボーン小協奏曲」;
ダヴィッドは、ゲバントハウスのバイオリニストでしたが、作曲も行っています。
これは就職試験の課題曲としてよく使われるそう。
ほかにオーケストラスタディは30曲ほどあり、ワルキューレなども含まれるそうです。
「ラジオ体操のよう」というとおり、確かにどことなく日本ぽい旋律でした。

菅野祐悟 「【軍師官兵衛】メインテーマ」(2014);
大河ドラマのテーマ曲。なんと彼がこのBGMを演奏したそうです。
午年だったということもあり、トロンボーンで馬のいななきも表したそう。
やってみてくれました。本当にいなないていました。
とても難しそうなビブラート。
彼自身も、この演奏でやり方をマスターしたそうです。

藤原功次郎 約束(2015) 風(2010):
彼は、自分で作曲も行っています。高校生の時に作ったという「風」は、とてもきれいなノスタルジックな日本風のメロディでした。

ベートーヴェン ピアノソナタ第8番ハ短調「悲愴」から第2楽章:
ベートーヴェンは、耳が聞こえなくなって絶望しましたが、それはハイリゲンシュタットの教会の鐘の音が聞こえなくなったことで自覚したのだとか。
この曲には、その鐘の音をベースに取り入れているということで、確かに始まりの左手の和音は、鐘の音のようにも聞こえます。

最後に、東京工業大学管弦楽団、ロスガラチュロスのトロンボーン奏者たちが登場し、藤原さんを真ん中にずらりと並んで、アンコールを行いました。
プログラムに、既にアンコール曲が書かれていたのが、なんだか微笑ましいです。
全部で12本のトロンボーンが並んだ様子を見たのはこれが初めて。かなり壮観でした。
真鍮からの音色が祝福のように鳴り響きました。

さらに、今回のために作曲したという曲をピアノで演奏してくれました。
本当に多才な人です。
「楽しかったでーす」「やるの嬉しいな」「終わってさみしー」などと、気持ちをストレートに言葉にできる、その素直な心がそのまま演奏に現れているアーティスト。
心が温まったライブでした。

演奏とは関係ありませんが、この方は私と誕生日が一緒だと知って、ぐっと親近感を持ちました。
posted by リカ at 00:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 【music】Classic・室内楽 | 更新情報をチェックする
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