2015年12月14日

「現代に生きる江戸の粋」

12月9日 講師:悠玄亭 玉八(幇間芸人)
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これまで「太鼓持ち」という言葉は知っていましたが、英語のapple polisher(ごきげんとり、ごまをする人)と同じ意味かと思っていました。
「幇間(ほうかん)」とも言われるその役割を職業とする男性がいると知ったのは、夏に「鰻の幇間(うなぎのたいこ)」の寄席を観てから。
今回は、現代もなおその職業の人がいることを知りました。
「幇」は助けるという意味で、「幇間」とは人間関係をつなぐという意味だそうです。
かつては大名の従者だったというこの職業、ヨーロッパでいう宮廷道化師と似た役割かなと思います。この辺りの歴史を、ちょっと調べてみたいところです。

今でも宴席やお座敷などの酒席に登場し、様々な座敷芸をを見せて周りを盛り上げる彼ら。男芸者とも言われます。
どんな芸をするかは決まっておらず、その場の客のニーズに合わせるのだそうです。

酒の席で見せる芸なので、軽く短いものばかりですが、それだけにピンポイントをしっかりおさえ、見る人のツボにはまらないと受けません。
臨機応変さとアドリブが要求されます。

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(芸お披露目中のところを撮影したため、画像がぶれてしまっています)


小粋な帯結びで登場した悠玄亭講師は、歴代首相の真似をしてくれました。
麻生元首相の真似が上手でしたが、本人の前で芸を披露した際に、本人の真似は出来なかったので、おじいさん(吉田茂)の真似をしたそうです。
和服でケネディの演説も英語でこなしたかと思うと、三味線をかき鳴らして「Take the A Train」の一節を歌ったり、イブ・モンタンのシャンソン「枯葉」をフランス語で口ずさんだりして、芸達者だなあと思います。

都々逸(どどいつ)も披露してくれました。
初めて、生で聴く都々逸。長くて30秒の短い節だそうです。
「三千世界の烏を殺し 主と朝寝がしてみたい」しか知りませんでしたが、ほかにもいろいろありました。
「明けの鐘 ごんと鳴るころ 三日月形の 櫛が落ちてる 四畳半」
「外は雨 酔いも回ってもうこれからは あなたの度胸を待つばかり」
色っぽい歌が多いです。

ただ、最近の人は理解できないことが多いそうで「肩から滑る緋縮緬」のくだりで「ひじりめんってどんな麺?」と聞かれたりするとのこと(ちりめんのこと)。
まあ、私も「三千世界の烏」は、はじめは意味が分かりませんでした。
こういった教養も、おさえておきたいものです。

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映画『雨上がる』(黒澤明)、『座頭市』(北野武)などにも出演された師匠は、『座頭市』でのオチ「針が小さいだけに痛みは膨大です」を屏風芸で披露してくれました。
今はこの意味も分からない人が多いそうです。針小棒大のことだと、ピンとこないんでしょうか。

ほかに名古屋甚句や、かっぽれなども見せていただきました。
私は18歳と88歳の女性の妙見さん詣でが気に入りました。
ジェンダーを超え、70歳の年の差を見事に表せる役者です。

幇間は、その時々に見せる芸のレパートリーの幅広さが売り。
立派な伝統芸能ですが、芸者遊びをする人が減少したため、今では幇間を生業にしている人は東京に数名と岐阜に1名しかいないとのこと。
芸者さんの数も少なくなりましたが、太鼓持ちはそれ以上に絶滅危惧種です。
ヨーロッパの宮廷道化師も、今でもいるのかしら?

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(屏風芸。屏風を使って複数の登場人物を演じる一人芝居です)


講座終了後には、講師を交えて参加者のみんなで懇親会が行われ、いろいろな方とご挨拶ができました。
誰もが慌ただしい年末ですが、一年の締めくくりは晴れやかに終えたいもの。
今回は、新年のように楽しくめでたい気持ちになれました。
posted by リカ at 10:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 【play】その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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