2016年03月10日

『コンシェルジュ』はあなたの友人です

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by 浜﨑統(ホテルオークラ東京チーフコンシェルジュ)、プラス株式会社 at +PLUS
3月9日(水)
赤坂コミュニティカレッジセミナー、3月のテーマは「ビジネスに必要な対応力」。
第1弾はホテルオークラ東京チーフコンシェルジュです。

きちんとしたホテルに行くと、最近ではロビーにコンシェルジュの姿を見かけます。
入り口近くに立っているタクシーを手配する人とは違い、大きな机に座っています。気になりますが、なにをどう聞けばよいのかわからず、いつも遠巻きにしていました。
そんなコンシェルジュの話を聴けることになりました。
ホテルオークラのホスピタリティについて、これまであまり表に出さず、外で話されることはなかったそうです。

まずはホテルオークラ東京の説明がありました。
前の東京オリンピックの2年前の1962年から開業した、50年ほどの歴史を持つホテル。
目下本館を改装中で、別館単独営業中。
2019年に新本館がオープンし、高層ビルに生まれ変わる予定だそうです。

創業者は大倉喜七郎。子供11人おり、長男が2代目を継ぎました。
かつては部屋数800室あったそうです(今は380室)。
目下、一番聞かれる問いは「ロビーはどうなるの?」ということ。
確かに私も一番気になるところです。
あのレトロモダンな独特の空気あふれる空間。以前、キュレイターに館内のインテリアの意匠を解説してもらったことがあります。
和モダンのデザインは、海外からの人に人気が高かったそうです。

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旧本館を手掛けた谷口吉郎氏の息子である谷口吉生氏に、新本館の設計を依頼したのだそう。
「同じロビーを作る」ということでした。

これまでは、入って正面にあったロビーが、今度は右にできる予定。
部屋面積は50㎡となり、これまでの1.5倍に広がるそうです。

開業時の野田岩次郎社長は、「紙一重の差のサービス」を徹底させ、「Home Away From Home」をモットーに、「Best A.C.S.」( A:Accommodation, C:Cuisine, S:Service=最高の設備、最高の料理、最高のサービス)を企業理念としているそうです。
かつて部屋にあったソーイングセットの針に、すべて色別の糸が通っていたというエピソードを聞き(それはすごい)と思いました。

ホテルオークラのエレベーターには「閉」がないのだそう。
たしかに以前乗った時に、「閉」ボタンを押そうとしたらなく、自動で閉まるのを待ったことがあります。
ゆっくりと過ごしてもらうのがポリシーだからだそうです。

そうしてコンシェルジュの仕事の話になりました。
元々はゲストリレーションズという職名で、オークラにコンシェルジュという肩書は、はじめはなかったそうです。
ゲストリレーションズは、VIP客のアテンダントが仕事で、コンシェルジュは、万屋請負人。
コンシェルジュもVIP専用の人だろうと思っていましたが、二つの肩書は、別ものだとか。

オークラは途中でコンシェルジュに名前を変えたそうで、今でもゲストリレーションズのホテルもあるそうです。
またこの方は、コンシェルジュの国際ネットワーク、レ・クレドールなのだそう。
世界に4千名、日本には27名の会員がいるそうです。

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コンシェルジュは、頼まれごとをされたら、法に触れない限り、NOと言わないのが基本。
ホテルの利用者は国内外半々ですが、コンシェルジュデスクの利用者は海外からのお客様が8~9割で、訪日客が圧倒的に多いのだそう。
日本人はあらかじめ予定を立てるため、せいぜい店の予約の代行程度ですが、外国人は「どっかいいところない?」と丸投げするため、会話のキャッチボールが必要になるそうです。

レストランの予約も、ミシュラン掲載の予約を取りにくい店などを頼まれるそうで、宿泊の半年も前からメール依頼がくるのだとか。
(その場だけではなく、メールでの事前依頼もアリなんですね)
前に「10日間、昼・夜のいい店をお任せで」と頼まれ、予算は80万円ほどになったということです。
そうしたリッチな海外客は、白人かインド系、もしくは中国系の人かと思いきや、意外にも、インドネシア、タイ、マレーシアの人だそうです。
ビザが緩和されたためだとか。

店の予約のほか、サプライズの手伝いや人探しを頼まれたこともあるそうです。
「どこかいい場所でプロポーズしたい」という依頼を受け、あれこれ探して、八芳園の庭園に続く部屋を貸し切ったそう。(別のホテルになっても気にしないんですね)
「プロポーズの写真も撮ってほしい」「帰ったらホテルの部屋をデコレーションしておいてほしい」などのニーズに、客室担当のスタッフたちと知恵を出し合いながら応えたそうです。

2015年の正月、資生堂がレディ・ガガの50種のセルフィー写真を各新聞50紙に1種ずつ掲載し、話題となった時に、シンガポールのコンシェルジュから掲載誌を全て集めてほしいと依頼が入ったそうです。
大変な思いをしながら、八方手を尽くして、全て集めたとのこと。
いろいろな仕事をしているんだなあと思いました。
海外からカツラを購入しに来るかたもいるそうです。
コンシェルジュは、さまざまな人の生活が見える仕事なんですね。

そのうち、コンシェルジュデスクをうまく活用できるようになりたいものです。
国内では、自分で何とかなるため、海外のホテルで利用したいところ。
まずは、コンシェルジュのいるグレードのホテルに泊まることが肝心ですけれどね・・・!

posted by リカ at 18:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 【lecture】講演会 | 更新情報をチェックする
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