2017年05月22日

「大エルミタージュ美術館展」“仮装ナイト”

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エルミタージュ美術館の所蔵品展覧会は、これまで何度も国内で開催されていますが、目下森アーツセンターで開催されている「大エルミタージュ美術館展オールドマスター 西洋絵画の巨匠たち」では、タイトルの通りに西洋の名画が展示されています。

展覧会会場にて開催された仮装ナイトに参加しました。
「もしあなたが宮殿の主、エカテリーナ2世に舞踏会&コレクション鑑賞会に招かれたら…?」というイメージでドレスアップした紳士淑女たちが、世界的名画に囲まれた会場内に集っています。
笑いさざめくロングドレス姿の女性や、仮面をつけた男性たち。スタッフは頭に銀色のティアラを付けています。
非日常感たっぷりで、本当に宮殿にいるような優雅な気分になりました。
(ちなみに私は、ワンポイントでもOKということで、仮面とヘッドドレスで参加しました)

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ウィギリウス・エリクセン「戴冠式のローブを着たエカテリーナ2世の肖像」1760年代
の前で集う方々

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1 イタリア:ルネサンスからバロックへ
2 オランダ:市民絵画の黄金時代
3 フランドル:バロック的豊穣の時代
4 スペイン:神と聖人の世記
5 フランス:古典主義的バロックからロココへ
6 ドイツ・イギリス:美術大国の狭間で

作者の国別にまとめられているため、特徴がわかりやすく、ルネサンス期にそれぞれの国がどのように発展したかを、絵画を通じてうかがい知ることができます。

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1 イタリア:ルネサンスからバロックへ

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ティツィアーノ・ヴェチェリオ「羽飾りのある帽子をかぶった若い女性の肖像」1538年


モデルはビロードのコートを羽織っており、豊かな光沢が見て撮れます。
白い羽根飾りつきの帽子がゴージャス。
貴族の少年のようにも見える、凛とした表情です。

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ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエボロ「受胎告知」1724-25年


品のある落ち着いた色彩と動きのある構図の織りなす、調和のとれたバランス。

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2 オランダ:市民絵画の黄金時代

17世紀にバロック絵画がイタリアからユトレヒト(オランダ)に伝わったことで、アムステルダムで市民絵画の黄金時代が興隆しました。

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左ヘラルト・ファン・ホントホルスト「陽気なリュート弾き」
右ヘラルト・ファン・ホントホルスト「陽気なヴァイオリン弾き」
中央ディルク・ハルス「ホーム・コンサート」


呼応し合っているような絵の配置がいいですね。見るからにとても楽しそうな演奏家たち。
明るい音色が聴こえてきそうな演奏会の光景です。

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レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レイン
「運命を悟るハマン」1660年代前半


旧約聖書の『エステル記』に登場する一場面。
ペルシャ王の側近のハマンが、王の逆鱗に触れて死刑宣告を受けたシーンです。
ハマンの絶望的な気持ちを表すかのように、レンブラントらしい深い闇が広がっています。

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3 フランドル:バロック的豊穣の時代

17世紀、フランドル地方ではバロック文化が栄えました。

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ピーテル・ブリューゲル(2世)「スケートをする人たちと鳥罠のある冬景色」1615-1620年頃


楽しそうにスケートやカーリングをして遊んでいる光景。
しかし足元の氷はいつ割れるのかわからず、人生の不安定さと不確実さを表す寓意になっているのだそう。
そんな隠れた意味を持つとは知りませんでした。ある意味メメント・モリにもつながりますね。

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ルーベンス「マリー・ド・メディシスの戴冠式」1622年


ルーベンスは、フランス王妃マリー・ド・メディシスの生涯をテーマに24枚の連作を描いています(ルーヴル美術館所蔵)が、それとはまた別に描かれたもの。
白い影のような美しさが印象的でした。

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スランス・スネイデル「鳥のコンサート」


大型のキャンバスいっぱいに描かれた大小さまざまな鳥たち。
写実的で羽根の一枚一枚まで細かく描きこまれています。
コンサートといっても、楽器を奏でているわけではありません。
それぞれが鳴き声を発している様子を表現しています。

楽譜を持っているフクロウが指揮者役のようですが、見るからに統制がとれておらず、にぎやかさとユーモラスさに満ち溢れています。

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4 スペイン:神と聖人の世記

スペインでは、聖人を市井の人々のように描く手法が取り入れられました。
荘厳さよりも親しみやすさが特徴的な宗教画が多いのは、そのためでしょう。

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フランシスコ・デ・スルバラン「聖母マリアの少女時代」1660年頃


聖母マリアの少女時代を描いた絵は珍しいものですが、その中でも幼いマリアが無垢な瞳で祈りを捧げるこの作品は、愛くるしさにあふれています。

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バルトロメ・エステバン・ムリーリョ「幼子イエスと洗礼者聖ヨハネ」1660年頃


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バルトロメ・エステバン・ムリーリョ「受胎告知」1660年ごろ


ムリーリョの絵は3枚。どれも優しげで温かい、ムリーリョらしさにあふれた作品です。

スペイン絵画コーナーは3名の画家の作品5点の展示で、他に比べてぐんと少なかったのですが、どれもクオリティが高い逸品揃いでした。

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5 フランス:古典主義的バロックからロココへ

やはり王道のフランス絵画。このコーナーの作品が一番多かったのですが、ここから先は撮影不可エリアとなりました。

フラゴナール作品からは有名な「盗まれた接吻」が来日。
とてもフランスらしい絵なので、これがフランス国内の美術館ではなく、エルミタージュの所蔵品というのが少し意外です。

ニコラ・ランクレ作品は2点。フラゴナール風のタッチの画家です。
クロード・ロランの「港」もありました。
ジャン・シメオン・シャルダンの「食前の祈り」は以前にも見たことがあります。
私はシャルダンというとこの絵を思い出しますが、彼がメインとして描くのはは風景で、この人物画は珍しいのだそうです。

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6 ドイツ・イギリス:美術大国の狭間で

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ルカス・クラーナハ「林檎の木の下の聖母子」 1530年頃


最後のコーナーに展示されていたのが、今回の展覧会チラシの表紙を飾った作品。
リンゴの樹の下の聖母子、背後に生い茂る森や流れる川など、自然の豊かさを感じさせるものになっています。
当時は、クラーナハの描くようなあごが細いやせ形の女性が人気だったのだそう。
今回、エルミタージュからの貸し出しに一番骨を折ったのがこの作品だと聞きました。

トマス・ゲインズバラ「青い服を着た夫人の肖像」も有名ですが、タイトルに反して、夫人が着ているのは青い服ではないとのこと。
(えっ?)と不思議に思い、近づいてよく見ると、確かに違いました。
ドレスの色は白でした。ショールが青かったので、青いドレスのイメージになったのです。
印象の強い方をとってタイトルにしたのでしょう。

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スーベニアコーナーには、絵や絵葉書のほかにかわいらしいオリジナルグッズがたくさん。
チェブラーシカが「羽飾りのある帽子をかぶった若い女性の肖像」の格好をした"なりきりチェブ ぬいぐるみ"もありました。

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「大エルミタージュ美術館展」は6月18日まで公開中です。

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posted by リカ at 18:07| Comment(4) | TrackBack(0) | 【finearts】西洋画 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
情報ありがとうございます。近いうちに行ってみようと思います。
ちょうど平日に時間がありそうなので。
Posted by みん at 2017年05月23日 02:36
みんさん、分かりやすくまとめられていますし、所蔵品の時代が割とまとまっているため、観やすくて楽しめるのではないかと思いますよ。

ぜひミュージアムショップの又リョーシカも見てきてくださいね(笑)!
Posted by リカ at 2017年05月23日 09:04
本当に売る気なのですかね、又リョーシカ?w
Posted by みん at 2017年05月23日 22:50
あれは値段がついていなかったので、多分非売品だと思いますよ~w
いくら芥川賞作家でもねえ(笑)売るにしても注文販売かも?
エルミタージュ美術館の所蔵絵画の女性が描かれたマトリョーシカもありました。すでに売約済みでしたが、一見の価値ありです(^ ^)
Posted by リカ at 2017年05月24日 08:47
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