2019年10月01日

流線形の鉄道 1930年代を牽引した機関車たち

旧新橋停車場 鉄道歴史展示室 第51回企画展

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● 新橋停車場

1872年(明治5年)新橋~横浜間を日本初の鉄道が開通した時の新橋停車場を訪れました。
現在の新橋駅から東へ350mほどの汐留地区にあります。
2003年に旧新橋停車場駅舎が復元され、併設された鉄道歴史展示室では、定期的に企画展を開催しています。

● テーマ

開催中のテーマは「流線形の鉄道」でした。
流線形とは、より速く目的地に着けるよう、走行時における車両の空気抵抗を減らし、速さを追求したフォルム。
新幹線や特急列車などのデザインに用いられています。

● History

世界的に乗り物の高速化が盛んに競われるようになったl920年代後半に流線形のデザインが作られ始めました。
「速さ」や「未来感」をイメージさせるその形は、1930年代に世界的な流行現象となり、乗り物のみならず家具や家電といった日用品のデザインにも用いられるようになりました。
日本では、1934年に鉄道省が既存のC53形式蒸気機関車の原設計を変更し、流線形の車両が誕生しました。
その後、 C55形式蒸気機関車やEF55形式電気機関車が誕生しました。この展覧会では、流線形の系譜の中でも、特に現代の高速鉄道のデザインの源流ともいえる1930年代の流線形の鉄道に焦点を当て、鉄道模型や当時の資料と共に紹介しています。

● コレクター

数多くのモデルトレインが展示されていますが、そのほとんどが小野直宣氏の個人所蔵でした。
氏は、日産自動車の専属テクニカルイラストレーターの後独立し、今では電車や車の模型作成を行っているそうです。
流線形の列車の模型に限らず、さまざまな乗り物を趣味の延長として手作りしているという氏のコレクションに興味がわきました。

旧新橋停車場 鉄道歴史展示室 第51回企画展
「流線形の鉄道 1930年代を牽引した機関車たち」
2019年7月9日(火)~2019年10月14日(月・祝)
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posted by リカ at 18:47| Comment(0) | 【finearts】その他 | 更新情報をチェックする

2018年01月09日

「池田重子 横浜スタイル展」昔きもの〜現代KIMONO

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そごう横浜店

着物デザイナー、コーディネーターで、日本一の着物のコレクターとして知られる池田重子氏の展示会。
横浜の人で、ご実家がとても裕福だったようです。幼少時より美に触れ合う機会が多く、センスが磨かれていったのでしょう。

おびただしい数の着物とアクセサリー。そのどれもが斬新でモダンなセンスにあふれています。
着物にあるべきという固定観念を覆すような自由なデザインのものばかり。枠にとらわれない広がりを感じます。
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和装姿のおかいものクマ(撮影可スポット)

帯留めのコレクションは、テーマ別にまとめられていました。
横浜らしく帆船のものや、熱帯魚、バイオリンなど、およそ和風のイメージがないものに驚きます。

さらに麻雀の牌やトランプの帯が目を引きました。
また、英字新聞が刺繍された帯には度肝を抜かれました。
刺繍は精巧で、英字が一字ずつ読み取れるよう。
タイトルはTimes誌のようでした。

帯というと正絹の高価な一点もののイメージが強いだけに、そう何度もつけられないような大胆な柄を見ると、こちらがドキドキしてしまいます。
メソポタミアの地理の柄帯もあり、何とも不思議な気持ちになりました。

歌舞伎の隈取の顔と海老蔵と言う文字が縫いこまれた帯もありました。
また三番叟(さんばそう)という舞を題材にしたものも。
和風といってもここまでテーマを狭めると、やはり着ていく場所は限られます。

絹だけではなく、インディゴやインド更紗で仕立てたものもありました。

クジャクの羽根の刺繍が袖についた、まるで宝塚のように華やかな着物もありましたが、どれほどモダンなデザインや配色でも、ちっとも下品ではないのがやはりセンスだと思わせます。

目立つだけではなく、男女兼用で着れそうなほどにぐっと男性色に近づいたダークシックなものもありました。
男女の着物の違いはおはしょりのあるなししかないようにまで思えてくる徹底ぶりでした。

目立つ柄のものこそ、合わせるのが難しいものですが、ピタリと揃えてくるのは、やはり膨大なコレクションがあってこそ。
帯留や袋物などを含めると10,000点以上のコレクションがあるそうです。
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IKKOさんのお花が飾られていると思ったら、IKKOコレクションも展示されているとのこと。
和紙に墨で書かれた手紙もありました。

入り口前の発券場には、いつになく長い行列ができており、人気の高さがうかがえます。
着物姿の人々が次々と入って行くのを見て、後ろの2人連れが「私たちも着物で来るんだったわ」と話していました。

年始に訪れたということもあってか、会場内は着物姿の人がたくさん。和装の人の方が多いくらいでした。
また女性率ほぼ100%。男性は2人のみ見かけましたが、どちらも奥さんの付き添いでした。
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皆さんすてきな装い。自信がないと着て来れないでしょう。
コーディネイト法なども紹介されており、皆さん熱心に見入っていました。
成人式の二十歳の人々の晴れ姿を見る前に、華やかな池田コレクションと共に、ご年配の方々の堂に入った装いを間近に鑑賞することができました。
posted by リカ at 17:00| Comment(0) | 【finearts】その他 | 更新情報をチェックする

2017年11月07日

運慶の後継者たち-康円と善派を中心に

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トランプ大統領訪日中の厳戒態勢の都心を抜けて、東京国立博物館へ。
今回は平成館の『運慶』展ではなく、本館が目的です。

ここはなんといっても、撮影可の美術品が多いのがありがたいところ。
外国人も熱心に見学しています。

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塩山蒔絵細太刀拵 初代飯塚桃葉作 江戸時代・18世紀


初代飯塚桃葉は、蜂須賀家の御用蒔絵師。
儀式用に作られた細太刀の美しい鞘の絵巻は、まさに芸術品です。

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【重文】金銅聖観音懸仏 鎌倉時代・建治元年(1275)
 

鏡板に立体的な仏像・神像を取り付けた懸仏。
穏やかで安らいだ、美しい表情です。

刀剣の部屋には刀剣女子が展示品の前に貼りついていました。
国宝まで撮影可とは太っ腹です。

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【国宝】太刀 長船景光(号 小龍景光) 鎌倉時代・元亨2年(1322)


鎌倉時代末期に活躍した景光は、長光の子で備前長船派の正系の刀工。この太刀は直刃調の刃文で景光の最高傑作とされています。
倶利伽羅龍と梵字が浮き彫りになっており「小龍景光」と号されています。

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【重文】刀 相州正宗(名物 石田正宗) 鎌倉時代・14世紀


正宗が作刀した日本刀の一つで、号の「石田」は石田三成が所持したことに由来しています。

小部屋を通って今回の目的地、本館14室にやってきました。
特別展『運慶』展の公開に合わせて、ここで『運慶の後継者たち―康円と善派を中心に』が開催されております。

運慶の孫にあたる康円(1207~?)と、康円と同じ頃に活躍した仏師、善円(のち善慶と改名、1197~1258)の作品をメインとした展示。
善円らの系統の仏師たちは善派と呼ばれ、康円の慶派とは別に、奈良を中心に活動していました。
展示品は康円作が10点、善円作が1点、無銘3点の計14点。
うち12点が重要文化財です。

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重要文化財 菩薩立像 鎌倉時代・13世紀


この像は、上下の唇にも薄い水晶板を当てており、玉眼だけでなく玉唇の技法が用いられています。

ほかの鎌倉時代重要文化財では、興福寺伝来の文殊菩薩坐像と善財童子立像、京都・神護寺蔵の愛染明王坐像が展示されています。(3点とも康円作)

運慶の流れを汲んだ生き生きとした仏像が間近で見られ、小さな展示ですが、運慶以後の鎌倉彫刻が紹介されています。

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晴天の美しい休日。ちょうど奥の庭園が公開されており、美しい敷地内で多くの人がくつろいでいました。

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『運慶の後継者たち―康円と善派を中心に』
2017年8月29日(火) ~ 2017年12月3日(日)
東京国立博物館 本館(日本美術):公式サイト
posted by リカ at 15:25| Comment(0) | 【finearts】その他 | 更新情報をチェックする