2017年06月28日

歩行のメソッド ~自分の美しさを知る~

2017年6月17日(土)at 千駄ヶ谷社会教育館
by 矢田部 英正 [ 日本身体文化研究所 所長 ]、(c)シブヤ大学

最近、ウォーキングが見直されていますね。少し前までは、1日1万歩歩けばいいと言われていましたが、最近では、歩数よりも歩き方が見直されつつあります。
誰もが無意識のうちに歩いているため、とても簡単なものだと思われがちですが、間違った歩き方では、せっかく歩いてもあまり効果が出ないどころか、変に癖がついた歩き方だと、逆効果になる可能性も生じます。

今回は、初心にかえっての歩き方講座。さまざまな年代の人が参加しました。
まずは、みんなで何も考えずに歩いてみて、その様子を動画に取り合います。
それから、先生のレクチャー。

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日本に来た西洋人は「日本人は歩き方が変だ」という感想を持つそうです。
-確かに私の海外の友人も、来日時に驚いていました。
とりわけ若い女性が内またでポテポテと歩く様子が奇異に映るようです。
これは、足全体を使っていないから。
西洋人はかかとから地面につき、重心を乗せて前に踏み出します。
そのため、西洋人が日本で買った靴を履くと、まずかかとがダメになるそうです。

内または、かわいらしさを表すだけでなく、日本舞踊から来ている伝統的なもの。
日本は、生活スタイルは西洋式になりましたが、歩き方だけ、まだ日本式なので、外国人の目にはおかしく映るようです。

以前先生が調査したところ、女子大生の97%が外反母趾であり、健康な脚は3%のみだったそう。
問題は見た目だけではありません。正しい歩き方をしないと、脚の骨格が歪んでしまいます。
それには、自分で意識することが大切だということです。

とはいえ、今回は「美しい歩き方」は目指さないという先生。
あくまで「自分に合った歩き方」を探すのが目標なのです。
人の骨格はひとそれぞれ。自分にとって無理のない自然な歩き方をすれば、それが美的な印象につながっていくというわけです。

日本人は、着物を着た時のすり足の意識が残っているため、歩く時に膝が伸びておらず、歩幅が小さく、ちょこちょこ歩くそう。
ずるずると靴を引きずって歩くのは、日本人だけだそうです。 

着物を着た時には、膝を曲げてすり足になる歩き方でいいのですが、洋服を着ている場合には、やはり西洋式の立ち居振る舞いが合うものです。

和服を着た時には指先に、洋服姿の時にはかかとに体重をかけます。そしてまっすぐ立ち、目線を高く持つだけで、背筋は伸びます。
西洋の歩き方というと、ファッションショーのモデル歩きを連想しますが、あれは見せ方の表現で、腕はわざわざ振らなくてもいいのだそう。

適切な歩き方を知った上で、今度は実践です。
近くの人とペアを組んで、互いの手の指に触れ、骨をなぞってもらいます。
それから素足になり、指のどれかを押してもらます。
普段、素足で生活していないため、自分の足のどの指を押されているのか、なかなか当てられないことに驚きます。
そうやって、自分の手足の骨格に意識を向けます。
これまで自分の骨に注意を払うことなんてありませんでしたが、不思議なことに、これで見違えるほどに体幹バランスがよくなります。

すると、歩き方にも変化が。
骨格を意識したことで、足の裏全体を使って歩くようになりました。
ふたたび動画に撮ってもらうと、我ながら違いがはっきり分かります。
前よりもスッキリと歩けていました。
めいめいに歩き方の変化を実感して、参加者からは驚きの声が上がりました。

「かかとから歩きなさい」と言われて、その通りに歩こうとすると、頭で指令を出すことになるため、ぎこちない動きになるんだそう。
自然な動きは無意識から。考えずに身体が動くようになるには、練習が必要だそうです。

これが、自分の骨格に合わせた歩き方。
無駄な筋肉を使わないため、血の巡りが良くなって、肌がきれいになり、心が爽快になるそうです。いいことづくし!

参加者の皆さんは、はじめは静かに、おとなしそうに会場に入ってきましたが、受講後には生き生きと胸を張って、颯爽と帰って行きました。
意識ひとつで歩き方が変わり、歩き方ひとつでその人の持つ雰囲気も変わるんだなあと実感できた授業でした。

* こちらのレビューは、シブヤ大学公式サイトの
「歩行のメソッド ~自分の美しさを知る~」授業レポートにも
写真と一緒に掲載しています。

posted by リカ at 14:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 【events】体験コース | 更新情報をチェックする

2017年05月19日

健康なカラダ ヒモトレ講座 ~ひも一本でカラダ改善!!~

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by 小関勲 at 赤坂+PLUS

今回は、紐を使ってトレーニングをする講座。
講演者は、ヒモトレ提唱者の小関勲先生。
紐を使ってのエクササイズといったら、思い出すのはジムなどで使われるチューブトレーニングですが、それとは違いました。
手渡されたのは、ゴムではなく普通の紐だったのです。

弾力も反発力もない紐だと力の入れようがないため、トレーニングにならないのでは?と思いましたが、それは大きな間違いでした。
そもそも、力を入れる必要がなかったからです。

普段だと身体の正面から押されると負けて動いてしまう自分の身体が、紐をかけただけで外からの力を跳ね返すことに、自分でびっくり。
特に力を入れたわけではないのに、ただ紐をかけただけで、身体のパフォーマンス力が変わるなんて。
参加者たちと顔を見合わせて、不思議がります。

見ているだけだとインチキっぽいのですが、実際に自分でやってみても効果を感じます。
嘘のような本当の話。
「意識ではなく無自覚のクセに働きかける」ためだと、先生は言います。
それが全身のバランスを整えてくれるようです。

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足首、肘、肩、頭など、症状に応じてさまざま。
どこも、ひもを当てると巻いたところが安定するそうです。
先生の元を、水泳、野球選手、ゴルファー、なでしこなど、多くのプロの運動選手が訪れるそう。
チェロ演奏者の動画もありました。紐をかけるとは音のツヤや豊かさが変わってきます。
また、人間だけでなく動物の脱臼の予防にも効果的だそうです。

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今の人は全体的にバランスが良くなっているものの、裏(背中)の力が足りないとのこと。
昔の人は一俵(60kg)を持てたそうです。
信じがたい話ですが、俵かつぎという力比べで、米俵を5、6俵背負った女性たちの写真が映し出されました。
力持ちだったんですね。かつての米泥棒は2、3俵を一人で担いで、追っ手から逃げたそうです。
10kgでも腰が引けてヒーコラ言っている私にはとても無理!
そういうご時世だからか、今のお米は半俵(30kg)に減っているそうです。

シンプルな身体リセット術。
テーピングにも似ていますが、そちらのような専門的知識は一切要りません。
なにより「頑張らない・我慢しない・結果を気にしない」という、効果を求める際の禁じ手3連発がモットーになっているというところが革命的です。
ちかぢか、ヒモトレ講座の著書も発刊されるとのこと。
心がけて生活に取り入れていきたいと思います。⇒ More
posted by リカ at 15:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 【events】体験コース | 更新情報をチェックする

2016年09月08日

リズムでつながる~米国発祥の新しいチームビルディングプログラムを体感しよう~

9月7日(水)赤坂プラス
講師:橋田“ペッカー”正人(パーカッショニスト)

「チームビルディングプログラム」とは初めて聞く言葉。いったいどんなことだろう?
そう思いながら行った会場には、さまざまな形をしたアフリカのドラムがたくさん置かれてあり、参加者は円卓状に座って、めいめいに楽器を手にしていました。

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私も、あいている席に座り、座席にあったウッドペッカーを手に取ります。
前に木製のものを持っていたため、抵抗なく鳴らせます。

見知らぬ参加者ばかりで、特に会話もないまま、なんとなくぎくしゃくした空気のままで、会は始まりました。
「じゃあお持ちの楽器を叩いてください」と言われ、おそるおそる鳴らしますが、音にもその臆した気持ちがあらわれて、どうにも張りがありません。

時折、講師のペッカーさんが軽い話でみんなをリラックスさせ、笑いを起こすと、そのたびごとに少しずつ音は大きくなり、次第に合って、一つの音になっていきました。
「リズムがよくなりましたね」

「リズムがいい」とは、すなわち「きちんとした生活を送っている」ということだそうです。
たしかに、一つ一つの動作にはすべて、リズムがあるもの。
それを意識しながら動いていると、気持ちの、そして生活そのもののメリハリにつながっていくようです。

はじめはてんでばらばらで揃わなかったカップルの合奏も、互いに目を合わせて叩くようにすると、次第に合ってきたのが聴いてわかります。
呼吸も合ってくるからでしょう。

太鼓だけでなく、みんなで叩く拍手も、叩いているうちに、次第にそろってきます。
大勢で一つの音を出していると、みんなとの一体感も感じられるようになります。
はじめはアイコンタクトで呼吸を合わせていたのが、次第に目を閉じて音を合わせるようになれるのは、めいめいバラバラだった気持ちが近くなったからではないかと思いました。

大勢で輪になって、言葉のいらない打楽器を叩くこと、これがアメリカ発のドラムサークルというプログラムだそうです。
みんなで叩いていると、誰もが周りに合わせようと思うもの。
そうしていつしか、きれいな音になるのです。

人は耳から始まるのだと教えてもらいました。
生まれる前は、目が見えずにまずは聴覚ありきで、母親の血流を聴いて育ちます。
そして聴覚が切れた時がご臨終なのだそう。
「観音菩薩という言葉もありますね」
確かに、名前に音が入っています。

音は非言語コミュニケーションで、特に音階のない打楽器は、聴くというよりも感じるもの。
言葉ではないため、ケンカをすることもない、平和な意思疎通ツールだそうです。

次第に、両隣の人と笑みを交わしたり、向かいの人と頷き合ったりするだけで、言葉が無くても意思疎通を感じられるようになっていました。
これってすごいですね。喋っていないのに、なにか強い温かいものを感じるのです。

そのうちに、様々な形のマラカスが出てきました。
バナナやリンゴ、金の豚やコッペパンの形をしたものがあります。
それを順々に回していきました。

塩化ビニールの筒も周ってきました。長さの違う5色の色に分かれており、叩くとそれぞれ出る音が違います。
色別に違うリズムを叩いて合わせると、なかなか奥行きのあるセッションになりました。

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さらに、いろいろな打楽器が周ってきました。
雷の音を出すものや火の用心の拍子木、こすってカエルの鳴き声を出す東南アジアの民芸品。
「人生楽ありゃ苦もあるさ~」の時に聞こえるボヨヨ~ン!や、ど根性ガエルの時などのホニャホニャ!といった効果音の楽器も。

簡単に鳴らせるものばかりで、音が出ると単純に楽しい気分。
みんなで鳴らした音が揃うと、嬉しくなります。
もうみんな、すっかり打楽器の魅力にひたりました。

最後にはすっかりうちとけて、なごやかになった参加者たち。
特にぺちゃくちゃとお喋りをしたわけではありません。ただ楽器を叩いて合わせていただけです。
それでも、穏やかな気持ちになって、みんなとの協調感を得られました。

ペッカーさんは、今回はドラムは叩かず、インディアンリコーダーを吹いてくれました。
素朴な音色に懐かしさを感じます。
彼のこののちのスケジュールは、ブルーノートやビルボードへの出演。
すごいですね。そう、この方、日本初のサルサバンド「オルケスタ・デル・ソル」を結成した方で、様々な有名アーティストのレコーディングやツアーに参加している実力派なのでした。

今は聴覚障害者のドラム演奏をボランティアで行っているとのこと。
「聴覚障害者が音楽を?」と思いますが、耳が不自由な人は、うぶ毛でリズムを感じるのだそう。
ライブには風船を持って行って、楽しむそうです。
どちらも、振動を感じ取るんですね。
映画『愛は静けさの中に』で、聴覚障害者のヒロインが、大きなステレオのスピーカーの振動から、音を楽しんでいたことを思い出しました。

合奏に言葉は必要ありません。みんなで一緒に楽器を演奏していたら、みんなとお喋りをしたような気になって満足できます。
自分がオーケストラに参加して演奏する時にも、確かに一体感は感じられますが、今回は音階のない打楽器なだけに、心臓の鼓動に近いような、より素朴なストレートな感じ。
おそらくは、言葉がまだなかった大昔の人々も、音を鳴らすことで共有感覚を感じていたんだろうなあと感じられたレッスンでした。

個が輪を作り、和になってまとまっていく流れ。
理屈なしにほっこりした気持ちになれます。
今の殺伐とした子供たちや、不登校の学生たちにも、ぜひ経験して、周りとのハッピーな一体感を体感してもらいたいと思いました。


posted by リカ at 17:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 【events】体験コース | 更新情報をチェックする